ほわいとらんぺいじ。3

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北人 side









健「ん、」



「…ありがとうございます、」







健太さんがお酒を注いでくれた。



…何だろ、このお酒。





普段あまりお酒を飲まない俺には分からないけど、オシャレなものだということだけは何となく分かる。







健「明日仕事は？」



「…ないです、明日土曜日なんで」



健「ふーん…」



「健太さんは？」



健「俺もないよ、」







当たり障りなく聞いてきたことだと思ってた。










「…あの、俺そろそろ帰りたい、んですけど」



健「何で？」



「何でって言われても…」



健「まだ3杯しか飲んでないじゃん、」



「……これ以上飲んだら酔っちゃうから」



健「酔えばいーじゃん、」



「いやでも、」



健「理性ぐちゃぐちゃになるまで飲めよ」



「…は、？」







何オクターブも声が低くなったんじゃないか、と思う健太さんの言葉に思わず反応してしまった。





理性がぐちゃぐちゃに、って…



俺家に帰れなくなるじゃん。







健「あと2杯飲まないと奢らない」



「…え、」



健「どうする？結構高いけど自分で払えんの？」



「…………飲みます」







こうなったらもう記憶が飛ぶぐらい飲んでやる！



健太さんが再び注いだお酒を口にした途端、周りの音が消えていくような感覚に陥った。










健「おやすみ、北人」







そんな声が聞こえたような気がした。





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