ほわいとらんぺいじ。3

◇ ページ12

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健太 side









陸「陣くんだって思うでしょ？」



陣「まぁ思わんと言ったら嘘になるけど…健太がそれでええなら別に首突っ込む必要ないやろ」



「陣さんナイス」



陣「おぉ、敬語使え敬語」



「…はーい」







こうして話している間も、周りの人を見るわけで。





この人は何か違う、あ〜…この人も何か違う。



今日不調じゃん、気になる人なんて誰もいない。







「つまんな…」



陸「ん？何か言った？」



「いえ、特に何も」







酒を口に含んだ後にぽろっと出た言葉。



もう帰ろうかな、と出口の方へ目を向けた時だった。







「…！！」







久しぶりに人の顔見てビビッときた。



…誰だろ、見たことないなあの子。





てかめっちゃ若くない？



もしかして高校生？いや流石にそれはないか？







陣「健太？」



「…はい」



陣「何でずっと同じ方向見てるん？」



「…いや別に」



陣「何々？気になる人見つけたとか？」



「……ちょっと黙っててもらえますか、」



陣「はいはい」







集中したいのに質問してくる陣さんを押さえつけて、再び視線を彼に向ける。





ここに来たのは初めてなのか、キョロキョロしながらこちらへ向かってくる。



その姿が何とも可愛らしい。





よし、今日はこの子にしよう。



そう思った時にはもう俺は席を立っていた。





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