Next To You【長谷川慎】2

91〈 慎 side 〉 ページ41

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「ごめん、さっき言ったこと嘘だから」



A「…え、？」



「一緒に帰るってのは本当のことで、その後に言ったことは全部嘘だから」



A「…な、何で…」



「こうでもしないとAちゃん本音言ってくれないでしょ？」







ごめん、Aちゃん。



今だけはカッコつけさせて…？







「正直Aちゃんが否定してばっかで嫉妬はしたけど、吉野くんと帰りたいなんて過呼吸起こしたAちゃんが思うわけないって分かってるよ」



「紛らわせるようなことしてごめんね？でもAちゃんに本当のこと言ってもらうためだったから」







そんなことを思ってあんな態度を取ったわけじゃない。



Aちゃんに本音で話してほしいとか言っときながら俺は一体何を言ってるのか。





今、Aちゃんのことを抱きしめていて良かったって思った。



顔見られてたら嘘ついてるってバレると思うから。







「…一緒に帰ろう？樹にも言うからさ」



A「うん…本当にごめん、ありがと」



「樹にはある程度言っておくから…」



A「あ、…私から言ってもいい、？」



「良いけど…」



A「けど？」



「あんまり長く話さないでね…妬くから」



A「…分かった」







こんなことを言うキャラじゃないと思う。



でもAちゃんを前にするとこんなことまで言ってしまうようになった。





抱きしめていた腕をそっと離して、Aちゃんと微かに笑い合った。





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