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「なに食べたい?」
『んー、りんご飴とか?』
「ええな!行こ!」
無意識なのか。
また握られた手に、熱が集まる。
『…うん』
彼のためじゃないはずなのに、いつもより綺麗にしてきた自分を褒めてた。
見てもらいたかった人は違えど、なんだか浴衣で隣を歩けていることが嬉しくて。
余計に意識してしまいそう。
「おっちゃん、りんご飴二つ!」
「あいよー。彼女さんかい?
えらい美人さんやなあ」
「せやろ?美人やねん」
『ちょ、やめてよ、恥ずかしいから』
「なんでえな。ほんまのことやのに」
きょとんとした顔で、なんで?なんて聞かれても困る。
だって今、彼女って否定しなかったじゃん。
私が意識してるだけ?
「姉ちゃん美人やからおまけしたるわ」
『え、そんな…いいんですか?』
「ええよええよ。楽しめよー?若いんやから」
『はい、ありがとうございます!』
おまけしてもらえたりんご飴に口づければ、甘い味が広がる。
隣で目をキラキラさせながら、りんご飴を食べる彼。
思わず吹き出すと、大きな目をくりくりさせてこっちを見るから。
りんご飴を片手に、お腹を抱えて笑い出す。
『ふふ、あははっ』
「へ?」
『桐山くん、目キラキラさせすぎ』
「そんな目してた?」
『うん。すごいキラキラしてた。
ふふっ、桐山くんって可愛いね』
考えてることが顔に出すぎてる。
今だってほら、りんご飴をもう一回舐めて「うまあ」って顔してるもん。
『可愛いなあ』
ぼそりと漏れた本心に、自分でも驚く。
あれ、私ってこんなに素直に何か言える性格だったっけ。
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凜憧(プロフ) - まさなさん» ありがとうございます。私も今は徐々に自分を奮い立たせてなんとか行ってます…笑 少しでもお力になれるよう、これからも執筆を続けて参ります。 (2019年12月7日 1時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
まさな(プロフ) - 凜憧さん» あれ、読んでくれてるんですか!?嬉しいです!海の滴のあとがきで泣きました。私も数ヵ月前まで保健室登校だったので、凛憧さんの気持ちが分かりました。いつまでも応援してます (2019年12月7日 1時) (レス) id: 709458c7d0 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - まさなさん» なんて嬉しいことを言ってくださるんですか…!大ファンだなんて、もう泣きそうなくらい嬉しい言葉です… チラッと作品の名前を拝見させていただいたのですが、ままがむかえにこなかった。という作品、私読んでおります!!笑 お互い頑張りましょう! (2019年12月7日 0時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
まさな(プロフ) - 『海の滴《紫》』も読んでるんですよ。『夏恋注意報《赤》』も読んでます。そして他の作品もすべて読んでます。私って凛憧さんの大ファンじゃないですか?(唐突)大好きです!頑張って下さい!応援してます(о´∀`о) (2019年12月6日 22時) (レス) id: 709458c7d0 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - ばと担さん» ありがとうございます!わ、キュンキュンしてもらえてよかったです!嬉しいです、頑張らせていただきます! (2019年7月9日 11時) (レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
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