P03.‘偶然’見つけた日 ページ3
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伊野尾「ジュースじゃんけんしようぜ！」
八乙女「よっしゃ！かかってこいやぁ！」
岡本「今日は負けないからね！」
有岡「一抜けしてやる！」
3年生の春、無事に進級した俺達4人は講義室の後ろのほうに固まって、じゃんけんをしていた。
ジュースじゃんけん、負けた一人がジュースを奢るくだらない遊び。
伊野尾「さいしょはぐー？じゃんけんぽいっ！」
有岡「ゆ、有限実行！さすが俺の右手！」
岡本「一抜けじゃないよ、これ光くんの一人負け」
八乙女「くっそ...俺かよ」
しっかりと開いて出した俺の左手は、3人のはさみに挟まれた。
「水」「オレンジジュース」「紅茶」、一斉に言い放たれたそれを俺はまるで聖徳太子のように一回で聞き取る。
講義が始まるまであと10分。
俺は財布だけを持って近くの自動販売機へ向かう。
俺はなににしよう。
お茶でいいかな。
3種類くらいの自販機が並ぶそこは、学生達のたまり場。
顔も知らないやつらがそこで屯していた。
八乙女「お茶は〜...」
4本全てを買い終え、講義室に戻ろうとしたとき。
何かの香りが俺の鼻腔をくすぐった。
その香りのほうへ振り向くと、
八乙女「...」
そこにいた。
大きなヘッドフォンに大きなパーカー、大きなリュックにそのリュックにつけられた大きなストラップ。
...と小柄な君。
もしかしたら高校生かもしれないほどの幼い顔立ち。
俺は目を奪われた。
・
講義が始まる5分前。講義室に戻り、3人に頼まれたものを渡す。
伊野尾「...なにぼーっとしてんの」
八乙女「え？ううん、ぼーっとしてないけど」
伊野尾「ふーん...」
そのときの講義は、頭に入らなかった。
ずっと、さっきの女の子が脳裏に浮かんでいた。
だからかな、
ニヤニヤしながら、こそこそ話す3人のことに気づく暇なんかなくて。
その日買ったお茶は、その日に口をつけることは無かった。
伊野尾「なんでぼーっとしてるんだろ」
岡本「お金なくなったのかな」
有岡「すんげえかわいい女の子見つけたとか？」
伊野尾「それはないでしょ、笑 だって光、一度も彼女つくったこと無いじゃん」
有岡「そーだった、笑」
岡本「一人負けが悔しかったんだよ、きっと」
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☆とも☆(プロフ) - 初めまして、こんばんは。読むたびにきゅんきゅんしちゃってもうたまんないです(*´Д｀*)大好きなメンツが揃ったお話なので更新が楽しみです(^^)題名も過去形なのがどういう意味なのか、それも楽しみです(*^^*)次回更新も楽しみにしてます(*≧∀≦*) (2018年4月8日 23時) (
レス) id: 0a1f63184e (このIDを非表示/違反報告)
美香 - 初めまして！続き頑張って下さい！伊野尾ちゃんと光気になるー (2018年3月23日 22時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
真美 - 最高に面白いです!!!ズッコケ3人組が出てくるところもいいですね(笑)これからも頑張ってください!更新めっちゃ楽しみに待ってます! (2018年2月26日 18時) (レス) id: 7d06f3cc7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：も も ◎ | 作成日時：2018年2月25日 20時
