王 女 ４

ラ ス ト ２ ページ21

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また舞台袖からAの背中を見つめる

あんな小さい背中やのに
抱えてることはめっちゃ大きなことで
付き合ってた当時は、半分こ。なんて言ってたけど
ほんまに半分こできてたんかな


『 いや〜やっぱランペイジっていいね！ 』

陣「 今頃なん？！ 」

『 いつも思ってましたけど、改めて感じたなあって！ 』

樹「 じゃあ戻ってきますか？ 」

『 来ませんね〜笑 』

樹「 ちぇ〜 」


なんて笑ってる樹の顔は、どこか寂しそうだったけど
どこか嬉しそうにでも見えた

パフォーマーのMCに笑っていると
右肩をトントンと叩かれた


壱馬「 ん、…？ 」

北人「 はい 」


と渡されたのは大きな花束

Aのイメージカラー 桃ピンクでラッピングされていて
花は、Aの好きな薔薇を始め色んな花があった


北人「 …俺、花粉症だからさ！ 」

壱馬「 え？ 」

北人「 だから壱馬が渡してやってよ！ 」

壱馬「 …ええん？ 」

北人「 俺今日、花粉症の薬もってきてないもん！ 」


しゃあなしだぞ！

と俺の肩を叩く北人は何故かすっきりした様子で
それから、またAの声でボーカルが呼ばれて
パフォーマーの元へと駆け寄る


翔平「 ええ！なにそれえ！！！！ 」

『 え？なになに 』


あれ、…なんて言うんだっけ、？


北人「 自分なりでの言い方でいいんだよ 」

壱馬「 わかった…。 」


Aと向き合い花束を渡す

その時に見えた胸元に光るネックレス
そこにはしっかり俺があげた指輪がついていて
思わず頬が緩んでしまった


壱馬「 …A 」

『 っ、はい 』


優しく微笑んで声をかけると
うっすらと目に涙が溜まっていく


壱馬「 …5年間THERAMPAGEとして一緒に活動してくれてありがとう
そして、22年間一緒にいてくれてありがとう 」

『 辞めてや 』

壱馬「 心の底からだいすきだって思えたのがAで
この気持ちはAとでしか味わえない気しかしなくて 」

『 … 』


だから俺は…


壱馬「 Aともう一度やり直したい 」

『 っ、！！ 』

壱馬「 振った理由なんてどうでもええ
22年間ともにしたんやから、どんなことでも俺、Aとメンバーと家族がおればなんでも乗り越えられる気がするねん 」

『 うんっ 』

壱馬「 だから、…もう一度俺とやり直してください 」


手を伸ばし、頭を深く下げた

そして、…


『 はいっ、！ 』


俺の右手はAの暖かい手に握られた









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