Episode 35 ページ38
スコッチさんが組織から消えたあの日から私は赤井さんときちんと会話できていない。
私が赤井さんを一方的に責め立てた時以来、赤井さんは私を避けるようになった。
自分が撒いた種なのだから、自分でどうにかするしかないのはわかっていても、それができなくなってしまうのが大人というものである。
そんな日々を送る中で私は偶然、バーボンと出くわした。
普通、末端の構成員とコードネーム持ちの幹部が鉢合わせることなど早々ないのだが…
探り屋のバーボンは情報通かつ行動的。
ターゲットの尾行を繰り返す私と遭遇するのも仕方の無いことだった。
バーボンは私と目が合った瞬間、ものすごい形相で近づいてきて、刹那、私の胸ぐらを掴んで壁に押し当てた。
突然の衝撃に思わずカハッと喉から乾いた声が漏れる。
「お前の兄がスコッチを殺した。」
そう告げたバーボンの瞳は光を宿していなかった。
私は疑問を抱いた。スコッチは公安の犬であることがバレて赤井さんに殺された。
ならばなぜバーボンは怒っている?
スパイが抹殺されたことは、幹部にとっては喜ばしいことではないのか?
ここで私の中に一つの仮説が生まれる。
バーボンはNOCである
こう考えれば、バーボンの怒りも納得がいく。
共に潜入していた仲間を殺されたのだ、怒り赤井さんを恨むのも無理はない。
『バーボン、なぜ怒っているのですか?
スコッチさんは公安からのスパイだったと聞いています。兄はスパイを排除した迄…違いますか?』
バーボンをこれ以上怒らせないよう、細心の注意を払って冷静に問いかければ、我に返ったのか私の胸ぐらを掴んでいた手を離し謝罪してきた。
「すまない、ライのスコッチの…殺し方があまりにも…凄惨だったものだから…」
そこでまたいいようのない違和感に囚われる。
『…その場にいたんですか?』
「いや居合わせたわけではない…俺が駆けつけた時にはスコッチはもう、死んでいたさ。」
とにかく悪かったと言い残してバーボンは足早にどこかへと去っていった。
バーボンが去っても尚、私はそこから動けなかった。
スコッチが、公安からのスパイであることを知っていた赤井さん。
スコッチさんの身を案じて駆けつけるバーボン。
近付く足音。
鳴り響く銃声。
血塗れた瞳。
そうか、そうだったのか。
赤井さんはスコッチさんを殺してはいなかった!
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あいか(プロフ) - はじめまして、あいかともうします!この小説の続きが気になるので早めの更新頑張ってください!! (2017年7月30日 16時) (レス) id: 70607cf5f4 (このIDを非表示/違反報告)
のんたん(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます!頑張って更新します! (2017年6月8日 19時) (レス) id: 8bc9afdc49 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - すごく面白いです!続き楽しみにしてます♪ (2017年6月8日 12時) (レス) id: 536a82edec (このIDを非表示/違反報告)
のんたん(プロフ) - 紅蓮さん» ありがとうございます!コメントいただけるだけで執筆に俄然やる気が出ます!!頑張ります!! (2017年3月7日 0時) (レス) id: cf32376341 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮(プロフ) - 続き楽しみに待ってますm(。≧Д≦。)m (2017年3月7日 0時) (レス) id: 219aa5a094 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんたん | 作者ホームページ:
作成日時:2017年2月19日 11時