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第1話 繋がらない電話 ページ2

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「ったく、あの男はどこで何をしてるってのよ。A、もう一回電話かけるのよ!」

「え、でもこの頃ずっと繋がらないから…!」

「いいじゃない。繋がったらラッキーと思ってかけてみたら?」

「蘭…」


 蘭にも背を押されて、信号待ちの最中に私は携帯を開いた。そして連絡帳のお気に入り欄に移り、新一の名を選択する。

 電話の繋がる前の音が耳元に届く。隣でこちらをじっと見守ってくれている蘭や園子の顔を見て、私は携帯をぎゅっと握りしめた。

 新一、今度こそ出てくれるかな。
 やっぱりダメかな。

 プツンと何かに繋がる音がして、私は肩を強張らせた。思わず「し、新一?」と呼びかける。
 しかし。


『………おかけになった電話をお呼び出しいたしましたが、お繋ぎ出来ませんでした』


 無機質なアナウンスの声が届く。私は数秒その声を聞きながしてから、ゆっくりと携帯から耳を離した。
 そんな私の様子で、結果を察した園子や蘭も残念そうに顔を見合わせた。


「やっぱりずっと電源切っちゃってるみたい」

 私はそう言って苦笑いを浮かべた。
 やっぱりダメか。わかってたのに、余計な期待しちゃって。
 新一が電話に出ないのは皆一緒だってわかっているのに、なんだか悲しくて、私はそれを見せないように携帯をポケットにしまい込んだ。

「それより、蘭のお家に行くの久々だから凄く楽しみ。早く行こう!」

「そういえば随分久しぶりよね。園子も来るでしょ?」

 頷いた園子は、「それほど長居は出来ないんだけど…」と残念そうに言った。きっと今日も何かパーティなどがあるのだろう。
 

 毛利探偵事務所のあるビルが前に現れた時、「そういえば」と思い出したように蘭が呟く。

「A、コナン君には会ったことあるんだっけ?」

「…コナン君?」

 聞いたことのない名に、私は首を傾げた。コナン、という名からして外国の子だろうか。
 蘭や園子によると、阿笠博士の親戚の子どもらしく、少し前から居候しているとのこと。

 小学生にしてはなかなか頭の冴える少年なのだと言う二人に頷きつつも、私は頭の中は先程繋がらなかった電話のことばかり考えてしまっていて、そのコナンという少年のことは少しも頭に入らなかった。


 

第2話 はじめまして、コナン君。→←prologue



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FenGkaz710(プロフ) - 2章楽しみ (2020年6月16日 19時) (レス) id: 760679ded1 (このIDを非表示/違反報告)
琴葵(プロフ) - 面白すぎたのでシリーズ化していると思いました……。面白過ぎます!!!更新応援しています!!!シリーズ化大希望です!!!!! (2019年12月6日 3時) (レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
Akiko Tanei(プロフ) - 首を縦に触るのではなく、『振る』ではないですか? (2019年9月8日 11時) (レス) id: acbd1e9f39 (このIDを非表示/違反報告)
? ????? ?(プロフ) - 第1章おつかれさまでした!すごくすごく続き楽しみにしてるので更新早くして欲しいです(>_<) がんばってください!!♪ (2019年8月9日 1時) (レス) id: e7d5c65650 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにー(プロフ) - 茅架さん» 作者様本人ではなくすいません。その文書は合っていますよ!"違わず"というのは"たがわず"と読み、間違わずと言う意味です。 (2019年8月1日 1時) (レス) id: 2d86003c92 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒猫@さかなねこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年6月18日 21時

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