【名探偵コナン】 My Precious _ 03 【男主】 (ページ8)

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File：106￤英語教師￤主人公side ページ8

「取り敢えず、一安心だなあ」

午前最後の授業の準備をしていた時、小さく呟いた香月に手を止めて顔を上げる。その視線は朝よりもクラスメイトと自然に話す平野が居て。

「そうだな。…ところでお前、英語のやったのか。今日、当たるだろ」
「？ ……アッ、やべっ！見せて！！」

俺の言葉に一度は首を傾げたものの、直ぐにハッとすれば手を差し出す香月。呆れにも似た息を吐けば、さっさと写せよとその手にノートを乗せた。

「起立、礼」

ガラリと開いた扉から入って来た金髪の英語教師。教卓へと歩く中、日直として号令を掛ける。そして立つと同時に前からノートが回された。

「Hello , Everyone ── 」
「あの人、誰？」
「ジョディ・サンテミリオン先生。アメリカから赴任して来たらしくて、少し前から英語担当してるんだ」
「へえ、すご。インターナショナルティーチャーって奴かな」

ジョディ先生を初めて見るらしい平野が不思議そうに首を傾げては、隣の香月を見遣る。嗚呼と返事した彼はそのまま小さな声量で答えた。( やっぱり、この時期に赴任なんて珍しいよな )

「終わった…」

そしてあっという間に授業が終わって、ぐーっと背伸びをする香月。そんな彼を横目に教材を机に仕舞う。

小さく欠伸を零したところで、先生が日直である俺と塚本を見ながらノートを集めて来るように声をかけて来る。短く返事をした後、仕舞ったばかりのノートを取り出した。

「榎本、南雲。採寸したいから、ちょっと家庭科室まで付き合ってくんない？」
「おお、了解！」
「了解。ノート提出したら直ぐ行く」
「そう言えば結局、平野さんはどっちになったんだっけ？」
「本人居なかったし、決まってないんじゃなかった？」

男子は俺に、女子は塚本にそれぞれノートを集める中、文化祭の衣装担当の女子がノートを置きながら口にする。香月とほぼ同時に返事を返した後、僅かに首を傾げた彼女に今度は塚本が答えた。

「平野さん、文化祭出るよね？」
「う、うん」

カフェやるって話は聞いてる？うん、ふたりから聞いたよ。なら良かった！給仕係と調理係有るんだけど、どっちが良いかな？平野さんスタイル良いから、はいから衣装似合いそうだよねー。

── 後からやって来た実行委員が衣装係と共に平野と話すのを聞きながら他の男子達からノートを受け取る。

「これで全員か」
「そんまま家庭科室行くだろ？飯そこか外で食う？」
「そうだな、偶には教室と屋上以外も良いかもしれない」

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