【名探偵コナン】 My Precious _ 03 【男主】 (ページ4)

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File：102￤頼もしい親友￤香月side ページ4

「えーっと、じゃあ…後は…」

( 無視かよ ) 司会を務める文化祭実行委員の女子は既に黒板に俺達の名前を書き込んでいて。その後もバランス良く、役割を決めて行った。

「これで全員？」

香月。 ── 実行委員が教室をぐるりと見回すで、スッと後ろから耳に入って来た声。それに背中を押されるように、大きく手を挙げた。

「南雲？何かあった？」
「平野！…彼女も参加すると思うからさ！どっちかのグループに入れてやってよ」

立ち上がりながら思いの外、大きく出た声。そして彼女の名前を出せば僅かにざわめく教室。( 噂について、予想以上の尾ひれの付き方してんの？ ) ( 尾ひれどころか、背びれ、胸びれレベル？ )

「あの平野さんでしょ？他校生と男取り合って喧嘩したとか」
「うちのクラスはひとりしか居ないでしょ。まあ、その噂は私も聞いたこと有るけど…」
「それに、いじめてたとか言う噂も有るし…」

「彼奴、謹慎中じゃねーの？」
「今日で解けて、さっき会った！」
「どーゆー関係なわけ？」

クラスの一部を除いた面々から一斉に向けられる視線。ましてや、それがいつもの様な友好的なものでは無いのは一目瞭然。その視線に耐えるだけでも如何にかなりそうなのに…噂が耳に入ったり、質問なんてされるとキャパオーバー寸前な訳で。

( ちくしょう ) ── 正直、昔から誰かの為に何かしようとしても空回りばかりで上手く行ったように思えた試しが無い。

「香月。少し落ち着いて、先ずは噂の件をハッキリさせたらどうだ」

その時、聞こえた小さく息を吐く音。続けて掛けられた言葉にAを見れば、至って冷静で。( ── 訂正 ) ( ひとりじゃ上手く行った事は無いけど、そんな時はいつもAが助けてくれて )

「そう、そうだな、うん。皆、平野の件は誤解が有って ── 」

ゆっくりと、時々、Aの力を借りながら噂の件が誤解で有る事を説明して行く。友好的では無かった視線が、徐々に戸惑いに変わって行くのが分かった。

「 ── 別に香月の言葉を、直ぐに信じろとは言わない。香月と俺以外は誤解だったと証言出来る場面を見てない(・・・・)んだから」
「……アンタの言い方だとさ、そもそも噂の発端になった場面をちゃんと見た人(・・・・・・・)も居ないんでしょ？容姿も相まって、噂が噂を呼ぶってやつ？」

含みの有る言い方に少し首を傾げれば、斜め後ろの塚本が小さく笑う。そして彼女に言葉に、今度はAの口角が僅かに上がった気がした。

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