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9.7 ページ29

ヒロインside




私は、声に誘導されるがまま、暗い道を歩いている

土はでこぼこし、草はぼうぼうに生えている歩きにくい道だ

でも、彼女がこっちだと言うのなら、たぶんこっちなのだろう

あ、彼女ってのは声の主の事ね

声色から、恐らく女性だって私が勝手に思っているだけ

私は、そんな彼女に聞きたいことがあった

さっき彼女が質問した内容

「1番大好きだと思う人って誰?」

なぜかは分からないが、私は、逆に質問してみようと思った



『アンタは誰かいるの?好きな人』



少しの沈黙が流れる

なぜか気まずいこの空間の中、私は、姿かたちの見えない彼女の声を待った



いるよ

『どんな人?』

強くてかっこよくて、優しくてかわいくて、どこか抜けてるとこがあるけど、やるときはちゃんとやってくれる。私の、永遠のヒーロー。

『のろけてるねー?』

うっさいし



好きな人のいいところを話しているうちに、彼女の声が明るくなっていくのを感じた

本当に好きなんだね、その人



でもね、その人死んじゃったんだ

『え、どうして』

本当に急だった。病気でさ、眠るように死んでいった



まさか、彼女にそんな過去があったとは、想像もしていなかった

私は、突然の告白に、どう返事をしていいか分からない

少しの沈黙を、今度は彼女が切ってくれた



辛かった、悲しかった。幸せが、手元から簡単に滑り落ちていくその様を、今でも覚えている

『・・・うん』

彼のいない世界に絶望したけど、私には息子が、そして仲間がいた。その世界には、守る理由があったのね

『うん』

だから、頑張ったんだけど、ダメだった

『ダメ?』



彼女は、守ることができなかった、ということなのだろうか?

「ダメ」が、一体何を指しているのかは分からないが、彼女が悲しんでいることは分かる

その言葉について考えていると、彼女は、「よし」と言い、話を続けた



そら、あそこでブラックが待っているよ

『ほんとうだ、ありがとう!』

どういたしまして。・・・ねぇ、なまえ

『なに?』



なんで私の名前を知っているのか、疑問に思ったが、その質問は後回しにした



ここからが、運命の分かれ道だよ。自分の心に、正直にいきなさい

『え?』



私がそう言うと同時に、彼女の声が途絶えた

彼女の言ったことが、はたして何なのかは分からないが、心にとめておこう

私は、深く深呼吸をした後、遠くに見える、ブラックとザマスの元まで駆け抜けた

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匿名希望 - 続きが気になります (3月31日 23時) (レス) @page38 id: a169a42957 (このIDを非表示/違反報告)
ミノ(プロフ) - めっちゃ続き気になる〜♡頑張ってください! (10月30日 14時) (レス) @page38 id: 7c3ba8c0b7 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - めちゃくちゃきゅんきゅんする!!続き欲しいです (7月2日 19時) (レス) @page38 id: 91d89c4fce (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - めちゃくちゃきゅんきゅんする!!続き欲しいです (7月2日 19時) (レス) @page38 id: 91d89c4fce (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - おはようございます、 コメント失礼します、続きがになります。 (2022年12月2日 8時) (レス) @page38 id: 4f358e8e67 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぐーちゃん | 作成日時:2017年3月18日 2時

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