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ヒロインside
私は、声に誘導されるがまま、暗い道を歩いている
土はでこぼこし、草はぼうぼうに生えている歩きにくい道だ
でも、彼女がこっちだと言うのなら、たぶんこっちなのだろう
あ、彼女ってのは声の主の事ね
声色から、恐らく女性だって私が勝手に思っているだけ
私は、そんな彼女に聞きたいことがあった
さっき彼女が質問した内容
「1番大好きだと思う人って誰?」
なぜかは分からないが、私は、逆に質問してみようと思った
『アンタは誰かいるの?好きな人』
少しの沈黙が流れる
なぜか気まずいこの空間の中、私は、姿かたちの見えない彼女の声を待った
いるよ
『どんな人?』
強くてかっこよくて、優しくてかわいくて、どこか抜けてるとこがあるけど、やるときはちゃんとやってくれる。私の、永遠のヒーロー。
『のろけてるねー?』
うっさいし
好きな人のいいところを話しているうちに、彼女の声が明るくなっていくのを感じた
本当に好きなんだね、その人
でもね、その人死んじゃったんだ
『え、どうして』
本当に急だった。病気でさ、眠るように死んでいった
まさか、彼女にそんな過去があったとは、想像もしていなかった
私は、突然の告白に、どう返事をしていいか分からない
少しの沈黙を、今度は彼女が切ってくれた
辛かった、悲しかった。幸せが、手元から簡単に滑り落ちていくその様を、今でも覚えている
『・・・うん』
彼のいない世界に絶望したけど、私には息子が、そして仲間がいた。その世界には、守る理由があったのね
『うん』
だから、頑張ったんだけど、ダメだった
『ダメ?』
彼女は、守ることができなかった、ということなのだろうか?
「ダメ」が、一体何を指しているのかは分からないが、彼女が悲しんでいることは分かる
その言葉について考えていると、彼女は、「よし」と言い、話を続けた
そら、あそこでブラックが待っているよ
『ほんとうだ、ありがとう!』
どういたしまして。・・・ねぇ、なまえ
『なに?』
なんで私の名前を知っているのか、疑問に思ったが、その質問は後回しにした
ここからが、運命の分かれ道だよ。自分の心に、正直にいきなさい
『え?』
私がそう言うと同時に、彼女の声が途絶えた
彼女の言ったことが、はたして何なのかは分からないが、心にとめておこう
私は、深く深呼吸をした後、遠くに見える、ブラックとザマスの元まで駆け抜けた
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匿名希望 - 続きが気になります (3月31日 23時) (レス) @page38 id: a169a42957 (このIDを非表示/違反報告)
ミノ(プロフ) - めっちゃ続き気になる〜♡頑張ってください! (10月30日 14時) (レス) @page38 id: 7c3ba8c0b7 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - めちゃくちゃきゅんきゅんする!!続き欲しいです (7月2日 19時) (レス) @page38 id: 91d89c4fce (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - めちゃくちゃきゅんきゅんする!!続き欲しいです (7月2日 19時) (レス) @page38 id: 91d89c4fce (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - おはようございます、 コメント失礼します、続きがになります。 (2022年12月2日 8時) (レス) @page38 id: 4f358e8e67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぐーちゃん | 作成日時:2017年3月18日 2時