紅一点 結婚しました #５【ジェヒョンと私の NCT 内結婚のはなし】

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『折角久しぶりにウィン子とご飯行けるはずだったのにな〜』

JK「だから本当に申し訳ないって思ってるし、思ってるけどそこまで調子に乗られるとそろそろキレそう」

『おっけ、もうやめる』


ジェヒョンの仕事がのびているらしく、練習室でジョングクとふたりで待つ。ここぞとばかりに嫌味を言い続けていたらさすがにイライラし始めたのでこの辺でやめておこう。

彼は初めて足を踏み入れたらしいSM社屋に興味津々で、室内をうろうろ歩き回っている。私には見慣れすぎているのでソファでSNSをチェック。


SNSなんて、一時期は絶対に見たくなかったのに。一ヶ月間も強制的に奪われていた反動なのか、最近は気になって仕方がない。


好きの反対は嫌いじゃなくて無関心、なんて言ったりするけれど、それのせいかも。

前までは無数に呟かれる私に対する悪口が本当に怖かったし、どんなことをしても絶対に否定的なことを言う人がいると分かっていても、どうしても傷付いた。
だけど、世間の様子が分からなかったあの期間、何よりも恐ろしかったのは、皆に忘れられてしまうこと。


予告を出した犯人が捕まったとしても、出てきた私のことを誰も覚えていなかったら？そんな人もいたっけ、なんて、ニュースにもされなかったら？

世間に忘れられるということは、私にとって、死も同然。悪口すらも言われなくなったら、アイドルとしておしまいだ。


だから今はもう、怖くない。
もはやありがたい。アンチどんと来い。


そう思えるようになってチェックしてみると、当然私を応援してくれる人の声も聞こえてきて。そういう人にこたえたくて、自分からも積極的に発信するようになった。


ベッキョンオッパが前に、アイドルとして完璧な姿を見せたいなら歌やダンスですれば良い、人間としては完璧な人なんていないのだから、ダメな姿を見せても良い、と言ってくれたことがある。自分の弱いところは大切な人にしか見せないものだから、ファンはむしろ喜ぶと。


本当にその通りだと、今は思う。

さりげなく載せた投稿にコメントがつくのはもちろん、前よりもチェックしているのならAが見てくれるかも という期待からか、なんでもない日常をシェアしてくれるファンが増えたので、見ていて楽しい。

相変わらず、私の一挙一動全てが気に食わない様子の人もいるけど。

シズニなら、私は愛す。
これは、ジョングクが教えてくれたこと。


周りの人に助けられて、私はアイドルとして成長できているのだ。

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