さんびゃくじゅうよん。 ページ15
フランキーが棺を作ってくれていたという事を知ったので、朝食(昼食の時間の朝食)を食べてからフランキーに手伝ってもらって棺を海へ流した。
皆が昼食を食べている間は結界用の針を仕込んでた。朝食(昼食の時 略)を食べてからまだ1時間も経っていないからお腹すいてないんだよね。
気になるルフィは昼食を食べ終わった後、また船首の上に行って動かなくなった。まったく世話の焼ける船長だ。
「…………ルフィ。」
「………………」
「言いたい事あるなら言ってくれない？気まずいこの上ない。」
「…………」
「……………………人を殺したのはこれが最初じゃない。」
この世界に来てからも殺したし、前の世界でも殺していた。もちろん最初の世界でも。
君が何か考える必要はないんじゃないかな、と思うのだけれど。
……思うんだけど、いかんせんルフィが喋らないもんで。なんかもう本当気まずいんだよ。
「………………」
「…ね、何か言ってくれないかな？さすがに気まずすぎる。ここで君が割り切れないようだったら僕はこの船を降りるよ。」
ルフィは…というより、”麦わらの一味”は人殺しはしていない。それを許していない。
船長の、一味の信条とも言えるべきそれを破る人間が一味の中で出た。
それを放って置くような人間につくつもりはさらさらないんでね。
…………まァ…そんな事をしない人間って分かっているからこそ、こいつについていっているというところもあるけれど。
「……ユキヤ」
「何でしょう、船長さん。」
「これから、この一味に居る時は絶対に人を殺すな」
ほら。
だから俺はこいつについていっている。
「了解キャプテン。」
「ん」
2人で何をするでもなく、ただ船の進む方向を見る。
少しの沈黙。
「船を降りるってのは、どうなったんだ」
「ん？ああ……どうしようねえ。悟と傑を見つけて…もし記憶があったら船を降りる。記憶があったらってのは1つ前の世界の記憶が、ね。なかったら降りない。七海と灰原はアレ僕の事覚えてるか覚えてないかわからん状態だったし。」
見つけた悟か傑に「誰オマエ」って言われたら泣く自信はあるからできれば覚えていて欲しいけど。
同じ世界線のニンゲンの体に憑依すること自体始めてだったしね。どうなるかは分からないから…………運任せな所もある。っていうかほとんど運。
「納得のいく回答は得られましたでしょうか船長殿？」
「……ん」
「…………うっし、んじゃ昼寝してくる。天候が崩れたら起こしてねー。」
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作者名：あんちょび | 作成日時：2022年9月27日 17時
