島と男とわんこ ページ7
あの日から、エースは俺にベタベタくっついてくる
毎日暑くて暑くて堪らない
耐えかねた俺は最近、ガルムの姿で毎日を過ごしている
胸元に赤黒い血がこびりついていて、洗われても洗われてもそれは取れないが兄弟達は皆「名前は名前だ！」なんて言って構ってくれる
この姿でいるといつもみたいに、兄貴としてエースを甘やかすこともないから、息抜きにはちょうどいい
すれ違う兄弟達皆、俺の頭を撫でてくれる
最高だ、ブンブンと尻尾が揺れる
「島が見えたぞー！！！！」
鯨の上に上がった
前方にはいわずもがな、島が見える
今回はこの姿で島に降りよう、そう思いながら高鳴る胸に従い尻尾が激しく揺れるのであった
.
島に着いて、兄弟達が我先にと島へ降りていく
今日は16番隊が船番だ
俺はゆっくりと島を回りたいから最後の方に船を降りた
イ「気を付けろよ」
そういって頭を撫でてきたイゾウの手に、軽く頭を押し付けてから地上に足をつける
久しぶりの地面に感動した
心のなかでふんふん、と歌いながら待ちを歩くと俺を見た人たちが目を見開いて道を開ける
首をかしげながらも足を進めた
「ママ〜、あのわんこ大きいね！！」
なんて指を指されたかと思えば
「近づいたら駄目よ！首に血がついてる…、きっと人を食べたのよ！！」
何を根拠に言ってるんだよ
親のその言葉に感化された子供は泣きながら母に抱きついた
親の声が大きかったのか、皆俺を指差しては恐怖の色を目に滲ませて避けていく
なんとも気分が悪い
人気のないほうへ足を進めた
草が胸元辺りまで生えた荒野？みたいなところにきた
時折鼻に草が当たって擽ったい
貴「ｯｸﾞｼｭ！！！」
え、犬のくしゃみってこんななの？
自分で驚く
「ぅおっ！！」
俺のくしゃみに驚いた誰かが後ろで転けた
どうせまた怖がるんだ、振り返ることもなく前に見える大きな木に向かって歩き出す
？「待て、其処の犬！！」
俺は人間だ！！！
グルル、と小さく唸りながら振り返った
？「御前、…やっぱりあのときの犬だな！？」
不細工な笑顔を浮かべたかと思えば金髪の男は駆け寄ってきた
それから逃げるように俺は木に向かって走り出す
？「あ、おい、逃げるな！！」
そう言われて止まるやつが居るかってんだ
。
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みょん - 何年も前にこの作品に出会った時から本当に大好きで、何回も読み返しています。そして何回も涙してしまう……。素晴らしい作品をこの世に生み出して頂き、本当に感謝しかないです。 (3月15日 1時) (
レス) @page33 id: c2e813967a (このIDを非表示/違反報告)
きゃとぅーん(プロフ) - 遅ればせながら読ませていただきました！めちゃくちゃ感動しました！素晴らしい作品作ってくださり、ありがとうございます！ (2022年3月17日 12時) (レス) id: 805966ddfb (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - TOMOさん» 読んでくださり、ありがとうございます！！そう言ってもらえて本当に嬉しいです(涙)(涙)(涙)これからも頑張ろうと思います！！！ (2019年9月23日 3時) (レス) id: 9854bed933 (このIDを非表示/違反報告)
TOMO(プロフ) - ぶっちゃけね？ めっちゃよかった。泣いたわ。真面目に泣いた。目から水よ。ウォーター出てきたよね。面白かったです！ (2019年9月23日 1時) (レス) id: 4e3515e76d (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - ユウさん» 読んでくださり、ありがとうございます！！！しっかり水分補給してください！！笑皆さんが楽しめるような作品が作れるよう頑張ります！！ (2019年9月19日 21時) (レス) id: 9854bed933 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年9月16日 12時
