。 ページ27
ララを抱くハルタとエースが入ってきた
さっきのはララの声だ
溜め息を吐いてから、残りひとつとなったサンドウィッチを手に持ち空いた皿をサッチに渡した
貴「ごちそうさま、美味しかった」
そう言って席をたちハルタ達とすれ違う
エースが心配そうに俺を見て来るから、空いてる手で頭を撫でて「大丈夫だよ」と言ってやれば
ラ「危ないよ！エース！！！」
なんて言うから、皆の視線が俺に集まった
だらり、尻尾が垂れる
どうせそんなこと誰も気づかないから、そのまま食堂を出て船尾に向かった
.
.
.
掃除箱に背を預けて屈みながら、サンドウィッチを頬張る
ずっと頭が痛くて、でも熱はないから医務室に行く程でもない
サンドウィッチを食べ終えて、膝に顔を埋める
「兄貴？」
顔を上げれば心配そうな表情のエースが前にいた
貴「ん？」
エ「大丈夫か？」
貴「大丈夫大丈夫、それより此処にいたらまた何か言われるぞ」
笑って言えば、エースは眉間に皺を寄せた
エ「俺が兄貴と居たいんだから、別に良いだろ！」
エースは俺の隣に座った
エ「何か言われたのか？」
貴「ん〜…」
エ「？？」
貴「…俺も殺されれば良いって言われた」
エ「…」
貴「…、少しの間だけどずっと一緒に居た奴にそう言われると、さ、」
隣に座って黙っているエースを見る
貴「なんで俺はこうも後ろ向きに考えちゃうんだろうな〜」
エ「…別にそんなことねェだろ」
貴「エースは知らないだろ？俺がどんなこと考えてるか」
エ「…」
貴「…今まではさ、何か言われる度に、父さんが悪いのかなってどこかで思ってたけど、最近じゃこんな風に考える俺が一番悪い気がしてさ」
エ「…兄貴、」
貴「ごめんね、最近色々あったから、弱ってるだけなんだ……ごめん、」
エ「謝りすぎだって！」
貴「……、…また独りになるのが、こわい」
そうやって小さく呟いた俺を、エースは抱き締めた
エ「兄貴は一人じゃねェだろ、俺がいる！！」
貴「…」
エ「他の奴等だって居るじゃねェか！」
だらしない
自分より五つも下の弟に慰められるなんて
なんで今日はこんなにネガティブなんだろう
そんなことを思いながらエースの背に腕を回した
貴「ありがとう、エース」
.
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 572人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みょん - 何年も前にこの作品に出会った時から本当に大好きで、何回も読み返しています。そして何回も涙してしまう……。素晴らしい作品をこの世に生み出して頂き、本当に感謝しかないです。 (3月15日 1時) (
レス) @page33 id: c2e813967a (このIDを非表示/違反報告)
きゃとぅーん(プロフ) - 遅ればせながら読ませていただきました！めちゃくちゃ感動しました！素晴らしい作品作ってくださり、ありがとうございます！ (2022年3月17日 12時) (レス) id: 805966ddfb (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - TOMOさん» 読んでくださり、ありがとうございます！！そう言ってもらえて本当に嬉しいです(涙)(涙)(涙)これからも頑張ろうと思います！！！ (2019年9月23日 3時) (レス) id: 9854bed933 (このIDを非表示/違反報告)
TOMO(プロフ) - ぶっちゃけね？ めっちゃよかった。泣いたわ。真面目に泣いた。目から水よ。ウォーター出てきたよね。面白かったです！ (2019年9月23日 1時) (レス) id: 4e3515e76d (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - ユウさん» 読んでくださり、ありがとうございます！！！しっかり水分補給してください！！笑皆さんが楽しめるような作品が作れるよう頑張ります！！ (2019年9月19日 21時) (レス) id: 9854bed933 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きなこ
| 作成日時：2019年9月16日 12時
