04-小さなその手をとることができないのに出会ってしまったね*JJ ページ4
ギュッと瞳を閉じる。
瞼の裏に懐かしい面影と涙を閉じ込めた。
目と開けてしゃがみこんでミーちゃんと同じ目の高さになる。
たぶん閉じ込め切れなかった涙が俺の瞳を潤ませていたんだろう。
ミー「じぇずしゃん。らいじょうぶ、らいじょうぶよ〜。キラキラの〜じぇずしゃん〜♪」
何かの歌に乗せるように小さな声で歌い、小さな手で俺の頬を包む。
JJ「・・・うん。」
ようやく声をひねり出し、ミーちゃんをそっと抱いた。
俺の首に小さな腕が回される。
ミー「らいじょうぶ、らいじょうぶよ〜♪。」
耳元で小さく聴こえる歌が俺の涙を誘う。
それが溢れ出る前に俺の胸がそっと押されて温もりが離れていった。
ミー「じぇずしゃん。ミーちゃん行かなきゃ。バイバイ。」
JJ「・・うん。バイバイ。」
小さく手を振りながら、ミーちゃんが沙耶の手を掴む。
ひょいっと沙耶が抱き上げた。
沙耶「兄さん。スロウだって辛くなかったわけじゃない。赦せなくていいから忘れてほしい。あの時のことだってもう忘れようよ。」
JJ「できない。できないよ。俺がいけなかったのに。俺がちゃんと気づけてなかったから。」
沙耶「・・・もう終わったこと。でしょ？兄さんだけが悪かったわけじゃないと思う。」
JJ「どういう意味？」
沙耶「・・・兄さん達の会社の人ってのがスロウを尋ねてきたことがあったって。背は低めで眼鏡で蝶ネクタイの人。」
JJ「・・・えっ？」
沙耶「その人と会ってからスロウがもう会わないって決めたの。何を言われたかは知らない。」
あぁ、それならわかる。だいたいの想像はつく。
何度も俺達もされたこと。でも彼女への突撃は初めてだったかもな。
別れさせ屋め。
沙耶「まっ今は幸せだから。じゃね〜。」
ミー「ばいばーい。」
いやっ、待て待て待て。
JJ「沙耶、コレ、俺の内緒で持ってるメルアド。何も聞かないからどうしてるかだけ、一年に一回でいいからメールして。ミーちゃん、バイバイ。」
早口で言いながら沙耶に小さな紙を押し付け、足早に立ち去った。
角を曲がるとき振り返ると歩き出していた沙耶に抱かれたミーちゃんだけが俺を見つめていて小さく手を振っていた。
バイバイ。俺の姪っ子ちゃん。
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しんち(プロフ) - のこさん» ありがとうございます。なかなか更新できず・・頑張ります。 (2018年12月8日 22時) (
レス) id: b9b1b5a8d9 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - お久しぶりの更新、嬉しいです！…読めば又切なさが蘇ってきて、ちと辛くもあるのですが… (2018年12月8日 21時) (レス) id: 72bf88ec29 (このIDを非表示/違反報告)
しんち(プロフ) - 嫁さん» こちらこそありがとうございます。蛇足な話なのにそんな風にいっていただけると。もう少しなのでご愛顧のほどを。 (2017年4月11日 0時) (レス) id: c77ad45416 (このIDを非表示/違反報告)
嫁(プロフ) - 更新ありがとうございます。切ない恋も人生ですね。簡単にはいかないから人生なのかもと思っています。 (2017年4月8日 16時) (レス) id: cc86b7eb97 (このIDを非表示/違反報告)
しんち(プロフ) - 嫁さん» ありがとうございます。いつか。わかってもらえるとうれしいなぁ。と私も思ってます。同じ気持ちでいていただいてすごくうれしいです。 (2016年6月25日 23時) (レス) id: c77ad45416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しんち | 作成日時：2013年11月22日 1時
