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淳太side
Prrrrrrrru
一通りの仕事を終えて、家に帰ろうとしていた夜の11時
俺のピッチが音を立てる
「もしもし?中間です」
看「中間せんせいっ望くんが、
「今行く!」」
看護師さんの言葉を最後まで聞かず、部屋を飛び出し、急いでのんちゃんの病室まで走る
″望″
この名前を聞いただけでこんなにも取り乱してしまうのには理由があって。
望くん、通称のんちゃんはまだ2歳の時にこの病院にやってきて、小児がんの1種である白血病と診断された
そのときから主治医を任されたのは俺で。
今までもたくさんの子を見てきたから緊張とかはなかってんけど、
ここに入院している子供達とは違うことが1つあったから、特別扱いは良くないと思いながらも、望くんに対しては過度に手厚く接してきた。
他の子達とは違う。
のんちゃんにとって病気以上に辛いこと
それは…
家族がおらん、ということやった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
急いでのんちゃんの病室に入ると
ベットの上に嘔吐物が広がっていて。
口の周りを汚して、苦しそうに肩を上下に揺らすのんちゃんの姿があった。
中「ガーグルベースと吐き気止め持ってきて!」
中「のんちゃんごめんな、しんどいな。もうちょい頑張れるか?」
望「えぇっ、うぇっ、けほけほ、うぇーん泣 」
気持ち悪さから涙を流すのんちゃんの背中を擦りながらガーグルベースをあてがう
望「おぇ、うぅウェッ ゲボッ うぅ、」
中「そうそう。上手やで。今悪い菌と戦ってるんやで?のんちゃん強いなぁ」
望「うぅ、ヒック、も、ない、ないっ…」
中「よく頑張ったな。先生が抱っこしたろ」
口の周りを拭いて新しい服に着替えさせたのんちゃんを抱っこすると徐々に落ち着く様子を見せ、
大きい症状やなくてよかった…
俺の焦ってた気持ちもようやくおさまった。
まだ3歳。
普通やったら、親御さんが来て、沢山甘えて、次の日の朝にまた会えるのを楽しみにしながら眠りにつく。
でもその″普通″がこの子にはなくて。
毎日真っ白い病室の中、1人で病気と戦ってる
何度家族になってあげたいって思っただろうか。
でも俺はたまたま主治医を任された医者で。
患者さんに個人的な感情を入れてしまうのはこの仕事上タブーで。
でも
でも
父親代わりならええかな
なんて思ったり…
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きりまる(プロフ) - まっちゃさん» まっちゃ様コメントありがとうございます!喜んでいただけてとても光栄です!応援がとても励みになります。これからもよろしくお願いします! (2020年12月12日 0時) (レス) id: 1ff7fb5aca (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 続編ありがとうございます!とても良かったです!きりまる様の書くお話大好きなのでこれからも楽しみにしています! (2020年12月7日 22時) (レス) id: 7fdc5c9f89 (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - みゆさん» みゆ様コメントありがとうございます!ご希望に添うことができたかはわかりませんが、喜んでいただけてとても嬉しいです!続編ぜひ作りたいと思います。これからもよろしくお願いします! (2020年12月7日 18時) (レス) id: 1ff7fb5aca (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 父親代わりの続編を制作していただき、ありがとうございます!!とても感動いたしました、、、。これからも不定期でいいので、続編を作っていただきたいです!ご検討よろしくお願い致します! (2020年12月7日 2時) (レス) id: 4cb93d8f81 (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - みゆさん» みゆ様初めまして!コメントありがとうございます!続編書かせていただきます!違うお話を挟みつつになるの思いますがよろしくお願いします。 (2020年12月2日 5時) (レス) id: 1ff7fb5aca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりまる | 作成日時:2020年11月25日 19時