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桐山side
「もんち、入るで〜」
その日の具合は朝の起き方でわかる。
今日は、
……ぅん、しんどい日みたい。
ベッドの上で
ぎゅっと目を瞑って何かに耐えているような
苦しそうな表情をしてる彼
そんな彼を急かさないように
優しく声をかけながら頭を撫でれば
俺の手を探ぐるように動かして
俺の腕ごとぎゅっと握る。
「……おはよ、もんち、ゆっくりでええからな」
神「……ぉ、はよ、」
俺たちにとっては当たり前の″起床″という動作が
彼にとっては当たり前にできない日がたくさんある。
やけど、それでも仕事には行きたいと
彼の中で譲れないものがあるから
俺は、それを尊重して助けてやることができればって
一緒に暮らす決意をした。
だから、、時間をかけてでも
毎日″起きる″を頑張ってるんよ。
「もんち、目開けへんでええから教えてな?
今日ちょっとしんどい日かな?」
「……コクッ」
「そかそか、
お仕事はどうする?
もし動かれへん〜ってなったらお休みもできるよ」
「……フルフル、っ、」
「ん、行きたいんやね(笑)
時間までもう少しあるけどまだ寝とくか?」
「……コクッ、っ、はぁ、」
「ぅん、わかった。なんかあったらボタン押してな?」
彼の様子からして、めまい、息切れ、動悸、
といったところかな。
苦しそうで、心配になるけど
寝てる間は割と大丈夫なことが多いから
俺はその間に自分の準備と彼の準備をしに
一旦リビングへ
寝室にはリビングと繋がるボタンがあるから
なんかあれば気づけるしな、
あの子が少しでも生きやすくなればええなって、
毎日その思いだけやった。
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作者名:きりまる | 作成日時:2022年8月31日 23時