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照「……あれ、やばい?崇裕!
もんちの目見て、焦点あってる?」





照史に言われて目を移せば、涙は流しとるけど、

その目はゆらゆら揺れてて定まってへん感じ。









「神ちゃんー、神ちゃーん、
……あかんかも!目線合わへんわ、」









照「嘔吐は?治まった?なら水飲ませて!」








「了解っす」











んーんーって唸ってて、苦しそうに顔を歪める神ちゃんの口に無理やりストローをさして飲むように促す、






と、喉仏がゆっくり上下するのが確認できた









「照史!神ちゃん水は飲めたで、」









照「……ぁ、よかった。
そのままちょっとずつでええから飲ませたって






…もしもし淳太くん?ロケ中止できる?
もんちもう限界やわ。」






淳太に連絡してくれてる照史を横目に
嘔吐してもうた袋の口を縛ってれば、軽く袖を引っ張られる








「……っ、はぁっ、はまちゃ、」








「どした?どっか痛いか?」








「……っ、ふぅっ、ごめん、なさ、」









「なーんでぇな、神ちゃんはなんも悪くあらへん」








「……やって、ロケ、ちゅうし、あきと、

いうた、っ、はぁっ、ぅ、ぅ、」








「……神ちゃん、ゆーっくり、
ふるえ、とまらんなぁ、」










もうこの話題は掘らん方がええと思った。
ただ神ちゃんが苦しむだけやし。

なにより、症状が重くて俺らも焦っとる。








ほんなら淳太との電話を終えた照史が
もんちの顔をのぞきこんだ。










照「もんちー、このまま病院行こっか
ずーっと苦しいのも嫌やろ?」









「……えっ、はぁっ、いやっ、やだ、っ、
びょういん、いかへんっ、」








「やなん?どして?」









神「……っ、はぁっ、いやっ、はぁっ、うぅ、っ、」









普段はこんな聞き分けの悪い子やないんやけどな、




病院って聞いて早い呼吸になってきた彼の胸を慌ててさする。






きっといっぱいいっぱいなんやろうなぁ。

わがままボーイになってる神ちゃんは
なんだかいつもとはちゃうくてそれが一番心配やった。

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作者名:きりまる | 作成日時:2022年8月31日 23時

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