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「……っ、きこえるっ、ねん、っ、」
「聞こえるん?何が聞こえる?」
「……ん、っ、はぁっ、はぁっ、」
「あぁ、ごめんごめん、怖いな、怖い、」
「っ、しげ、っ、ぅ、ぅ、っ、」
「だいじょぶ、だいじょぶやで、
照史がお薬持ってきてくれるから、それまで俺と頑張ろ」
「……っ、はぁっ、はぁっ、っ、」
「……だいじょぶ、だいじょぶ、」
ちょっとちゃう環境になっただけ。
たったそれだけが彼にとっては大きくて。
未だに震えてる神ちゃんをひたすら抱きしめ続けた。
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照「……もんち〜、あらら、まだ苦しいね?
お薬飲もっか」
そろそろ時間的にも怪しいなって思ってたところに
諸々を持って来てくれた照史
コップにストローもささってるし、
薬も出してあるし、ですぐ飲ませることができた。
照「……ょし、ん、すぐ怖いんなくなるからね。もう少し」
「……っ、ふぅっ、」
「この状況で頼るのはむずかったよな、」
「……ごめん、なさいっ、」
重「ぁ、ちゃうで神ちゃん。
神ちゃんは頑張った、えらかった、」
いつも通りの呼吸に戻ってきた彼は、今度は少し涙目で。
いろいろ考えてしまってるんやろうなってときの顔しとる
「…よし、もんち、寝よっか。
俺、久しぶりにもんちと一緒に寝たいわ、
昔よう2人でおんなじ布団で寝てたんが懐かしい」
「……ぇ、」
「ぁれ、嫌か?(笑)
昔はあっくーんって言うてくっついてきたんに」
「……んーん、寝たい、照史、」
「ふふ、よっしゃ、寝よっ
もう目が眠そうやもん(笑)」
抗不安薬と同時に飲ませた睡眠薬の効果で
壁にもたれたまま目が閉じかかってる神ちゃん
さっきの苦しそうな表情は消えて、
安心やけど、
いつみてもあの発作には慣れることが出来てない。
俺自身も少し怖かったんかも、
なんて思ってた矢先に、照史の昔話
そして。
「……しげ、おつかれさん。今日は俺に任せんしゃい(小声)」
「…ぇ、ぁ、」
「ふふ、怖かったんやろ?お前も(笑)」
毎度の事ながら照史の超人的な気配りには、
すんごい驚かされるんよ。
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作者名:きりまる | 作成日時:2022年8月31日 23時