幸せのかたち14 (ページ19)

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照史side

「そろそろ寝よか〜」

「明日早いからなぁ、もう寝よ」

「電気そこやでたぶん」

YouTubeでのお泊まり企画。

味のある老舗旅館にたどり着いた俺らは

もうへとへとで。

たぶん他のグループとかやったら
夜が本番みたいなとこあると思うねんけど

俺らにそんな元気は残ってへんくて。

早いもん勝ちで決めた布団にいそいそと潜り込むみんな。

「おやすみ〜」

「おやすみ〜」

YouTube的にはあかんやつかもしれんけど、
ほぼ喋らんとすぐ静かになった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「……っ、けほっ、っ、く、っ、」

「…ぅ、っ、はぁっ、ふっ、」

ちゃう環境であんま寝れへん俺でも
ようやく、うとうとし始めた頃

隣の布団からほんっとに小さな咳と息遣いが聞こえてきて。

「…っ、けほっ、っ、ふぅっ、」

しばらく耳を済ませとったら、
その声の主がゆっくりとベッドから抜け出す気配がした。

「…もんち……？」

そのままフラフラと部屋を出ていった彼は
どう考えても異変があったはずで。

慌てて自分も布団から出て、彼の影を追いかけた。