幸せのかたち14 (ページ15)

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車の中ではずっと無言やったけど

家に帰ってくれば素直に甘えてくれるもんち

やっぱり今日はずっとしんどかったみたいで

家の玄関で靴履いたまま俺の背中に抱きついてきて。

そのまま体重までかけてくるから
支えながらもしゃがませて、

靴をぬがせながら目を合わせる

「よう頑張った、頑張った、」

「……あきと、」

「ん〜？よいっと、リビング行こな」

背中に張り付いたままのもんちを
くっ付けたままリビングに到着

ソファに座らせれば
ちょっと気持ち悪いって言うから
袋と水を準備して隣に座った。

「……吐く、かも、」

「大丈夫、ちゃんと袋持っとるし、俺もおるから」

「……吐きたくないっ、の、」

「せやんなぁ、でもずーっと気持ち悪いのも嫌やない？」

「……いやぁ、」

「ごめんごめん、どっちも嫌やね？
でも我慢はあかんよもんち。」

ちょっとぴくぴくしてる喉に
吐くのも時間の問題やと思ってるけど、

優しく頭を撫でてあげれば

俺のお腹に頭を突っ込んできた。

……変わってやれればええねんけどなぁほんま、

吐き気がなかなか止まってくれなくて
辛そうなこの子の綺麗な髪の毛を撫でる。

その時、その頭がピクっと動いた。

……っ、げほっ、ぁ、っ、ごぽっ、

多分本人的にも突然やったのだろう。

途端に俺のお腹は暖かくなって、

当の本人は慌てて顔を上げたもんやから

自分にも嘔吐物が降り掛かってしもうた。