検索窓
今日:13 hit、昨日:22 hit、合計:108,113 hit

ページ17









「怖かったやんなぁ?こんな雨やし、
ごめんなもっと早く来れんで。」








雨の音に負けないように少し大きな声で
背中にいる彼に問いかける





ほんなら少しの間があって、

彼の息遣いが聞こえてきた。











「…あの、…ね、っ、しげ、みた、?おうち、」










「ん?家??一回帰ったで。神ちゃんおらんくて、
慌てて出てきた。」











「……あんなに、汚してっ、そのままにしてっ、

もう俺、ここおったらあかんって、」










堰を切ったように勢いよく話す神ちゃん







……うん、なんとなくわかっとったよ。
俺への申し訳なさが勝ってもうたんやろうなって。






繊細な心に、あの状態の部屋はたしかに

出ていきたくなるのも無理はないけど。














「……申し訳なくなってもうたん?

俺、そんなん気にせんよ?って
神ちゃんがおらんくなる方が嫌や、って言うてるのに」











「……ちが、だって、きのうも、しげ、ねてたのに、
朝早いのに、」









「ふふ、あれ、神ちゃんが俺の腕ん中で寝てくれて
おれ、めっちゃ嬉しかったんやけど」








「……うそっ、そんなん、うそやっ、」












再び早くなる呼吸。



もともと発作が起きやすい体に

いろんな不安とかが来てるんやと思う





こうなってしまうと
なんでも悪い方向に捉えてしまうから要注意やねん、


声掛けも、彼に対する行動も。











背中から感じる振動と、聞こえてくる早い呼吸に

俺も胸が痛くなる












「かみちゃーん、ゆーっくりやで、ふーふー、って

……ほら、俺のパーカー持っとるやろ?

しかも俺の背中に乗っとるんやから俺の匂いだらけやん(笑)


大丈夫。俺がおるよ」









「……ふぅっ、ふっっ、」









「焦らん焦らん、だいじょうぶやで、」










「……っ、っ、……」
















苦しそうな息遣いと雨の音が木霊する、
神ちゃんを背負って歩く帰り道






家まであと半分を過ぎた頃











「……ぉ、上手に出来たやん、




ちょっと落ち着いてきたんかな?





……ん、ぁ、」











自分の背中の重みがより強く感じられて、


そっと首だけ後ろを向けば、






俺の肩口にほっぺを押し付けて
目を閉じてる彼。








静かになったと思ったら


俺の背中の上で神ちゃんは寝てしまっていた。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (152 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
986人がお気に入り
設定タグ:ジャニーズWEST , 病系
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

きりまる(プロフ) - うちゅう様コメントありがとうございます!楽しんで頂けたら幸いです☺︎ (2022年8月22日 15時) (レス) id: e2c0ca874d (このIDを非表示/違反報告)
うちゅう(プロフ) - tomorrowとfuturity、大好きでつい最近読み返したところだったので、続編すごく嬉しいです!ありがとうございます! (2022年8月8日 0時) (レス) @page10 id: a184c6c103 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きりまる | 作成日時:2022年7月24日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。