幸せのかたち7

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淳太side







またいつものようにプライドが邪魔をして
不調を言えへんかったのやろうから


しげが目を覚ましたら

優しい言葉をかけてやろう、

なんて思ってたけど







「……ほんまあほか、」






いつもと変わらない表情に
なぜか意志とは違う言葉が口から出ていた。






責めるつもりはなくて、

でもしげの顔みたらなんか安心してもうて。






そんな自分がただただ焦っていただけなんやなって
思い知らされるから


それを誤魔化すためにまたしげを困らす








「……自分で気づけへんかったん？」






それまで俺の目を見ながら謝っとったしげは
俺の言葉にすっと目をそらす








…あぁ、気づいてたんやな、

…ならこんなんになる前に対処出来たやん、






また俺の愚痴が口をついて出ようとした時









″……淳太とのロケ楽しみやったの″









毛布で口まで隠しながら、
目線を逸らしてそっと呟いたしげ





俺が想像してたのは

出来ると思ったとか、迷惑かけたくなかったとか、

強がる言葉だったのに






まさかの本音に俺は呆然としてしまって。










「……え、っと、冗談？」







重「……ちゃうし、」








「……いや、ごめんごめん、

……珍しすぎるからさ」




もういいもんって
顔まですっぽり隠してしまったしげの頭を
毛布の上から撫でる






そうやった、

こいつは誰よりもメンバーとの仕事が好きな奴やった。







それに気づいてあげられへんかった俺が悪いな、
これは。










淳「……ごめんな、気づけへんくて。」






重「…は、淳太らしくないやん、

そんな顔せんでや、笑」









へへ、っと納得いかへん顔で笑うから










「ああ、そっか

俺とのロケが楽しくて中断したくなかったんやな笑




……やっぱりそういうとこしげらしいな」










いつものテンションでおでこをつつくと









「…………ぅるさい、」







顔を隠したまま、
でも痺れる手に違和感があるのか
必死で俺の手を探しとって。







ふわふわと行き場をなくした手を
優しく握ってほぐしてやると

今度はふわっと優しく笑ったしげ
















重「……ロケ、たのしかった、な、」






「ん、楽しかったな」









fin

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