百四十三話 ページ27
杏子side
杏子「えっ？」
美月「杏子。そんなに私達は頼りないか？私達は、お前にとってはただのお荷物なのか？返答によっては、私も声を荒げるぞ」
杏子「あっ、えっと」
三葉「杏子。ここにいるみんな。杏子のことを仲間だと思ってるって。杏子だってそうでしょ？守りたい大切な仲間だって。
仲間だからこそ、守りたいって。ずっとそう思ってたんだよね？だから、ここまで無茶し続けて。たくさんたくさん苦労して、頑張って来たんでしょ？
それについては、お礼を言うよ。ありがとう。そして、ごめんね」
杏子「！」
三葉「僕達は今日まで、お前にたくさん無理をさせた。たくさんたくさん苦労をさせた。ごめん。ごめんね。
今度からは、僕達も協力するから。もうこれ以上、杏子にばかり苦労させたりなんてしない！だから、お願いだから、僕達に頼ってよ。
頼りないかもしれないけど、それでも、少しでも杏子が無茶しなくなるのなら、私達はなんだってやるよ！いつだって、杏子の力になるから！だから、だから」
三葉は泣きながら私に言うと、そのまま掴んでいた胸倉を放し、私の肩に寄り掛かった。そして
凛「杏子」
杏子「ﾋﾟｸｯ！凛さん」
それと同時に、凛さんに声をかけられた。
凛「まだ分かっていないようだからいうけどさぁ。アンタ、清光のこと、どう思ってるの？」
杏子「きよ、みつ？」
凛「アイツのことも忘れたの？まとめて教えてやるからまとめて覚えてろ。清光は！刀剣男子のお前のことだよ！」
杏子「刀剣男子の、私？」
凛「そうだ！そして、そいつは、お前にとっての大切な仲間の一人でもあるんだよ！」
杏子「なか、ま」
凛「言っておくが、アタシらの仲間は、清光だけじゃないぞ。アタシら以外にも何振りもの刀剣男子がいるし、審神者やその姉だっているんだ！」
杏子「刀剣男子、審神者、姉」
凛さんの言葉を聞いて、私は頭の中で忘れていた記憶が、どんどん甦ってきた。
美月「杏子」
杏子「っ！美月さん」
美月「よく聞け。清光はなぁ。お前のことを、心から心配しておるのだぞ」
杏子「心配？」
美月「何故心配しているのか、分からないか？清光はなぁ。お前が無茶をし始めた時から、お前のことを気にかけていたのだぞ。
お前は気づいておらんかったようだがなぁ。だが、相当大事思っていたのだな。わざわざ私の所に来ては、お前のことで相談されたのだぞ。
どうすれば、お前の助けになれるのか、とかな」
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