百四十話 ページ24
杏子side
杏子「みつ、ば？」
三葉「そうだよ！思い出したかよ！馬鹿！」
杏子「なん、で」
三葉「見てわかんねぇかよ！今は戦闘中だよ！みんな必死になって戦っているのに、お前がまた何かを忘れているようだから、こうして態々お前に教えに来てやってるんだよ！
察しろ！馬鹿！」
それを聞いて、私はもう一度今度はよく三葉の姿を見てみると、確かに体中傷だらけで、途中真剣必殺を使ったのであろう、少しはだけてもいた。
三葉「おい。さっき、何を忘れていた。まだ思い出せないことがあるのなら、殴ってでも思い出させてやるからさ！言ってみろ！何を忘れたのかをよ！」
それを聞いて、未だに回っていない頭を必死に回して思い出そうとした。そしたら、
「杏子！」
もう一人、誰かがその名を呼ぶ声が聞こえ、私はすぐにその方向を向いた。
「アンタがどうして誰かに頼ろうとしないのかは分からない。だけど！何でもかんでも、一人で抱え込んで、自分を犠牲にしていい理由にはならねぇよ！」
杏子「・・・・だ、れ？」
「はぁ？誰だぁ？アタシのことも忘れたのかよ。
アタシは！
和泉守兼定の刀剣女士の 凛だ！」
杏子「り、ん？」
凛「そうだよ。忘れんじゃねぇ！」
杏子「ご、ごめんなさい」
「えっ？凛のことを忘れてるってことはつまり、アタシらのことも忘れたの？」
杏子「えっ？」
「忘れたのなら、もう一回自己紹介するよ！
アタシは獅子王の刀剣女士の 夏樹だよ！
覚えた？」
杏子「な、つき？」
夏樹「そうだよ！あと、今ここにはいないけど、アタシには相棒のポメっていう名前の鵺がいるよ！分かる？」
杏子「・・・ポメ」
夏樹「そっ！」
「おや、その様子だと、私のことも忘れているのでしょうか？」
杏子「えっ？」
「でしたら、私ももう一度自己紹介しますね。
私は一期一振の刀剣女士の 市です」
杏子「いち？」
市「えぇ、そうですよ。もし、また忘れてしまったのであれば、何度でもお教えしますから、安心してださいね」
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