百三十八話 ページ22
杏子side
杏子「何が言いたいの」
そう言うと、明仁は私の近くに来てすぐに顔を近づけてきた。
明仁「貴方がどうしてそこまのことにならなければいけないのか、分かります?」
杏子「・・・・そんなの、知るわけないでしょ?」
明仁「では、俺が特別にお教えて差し上げます。貴方がここまで苦しまなければいけない理由。それは、あの本丸にいるからですよ」
杏子「はっ?」
佐藤「彼の言う通りです。貴方がそこまで苦しむ理由になっているのは、あの本丸に居るからなんですよ?」
何を言っているの?この二人。そんなこと、あるわけないじゃない。そう思っていると、私の心を読んだのか、明仁が私の隣に来て耳元で口を開いた。
明仁「貴方は気づいていないだけです。自分ではそうではないと思っていても、あの本丸の連中からしたら、貴方は都合のいい駒同然だ。
あの本丸に来た当初は、そりゃたくさん愛されたでしょう?ですが、他の刀剣女士が増えるにつれ、どんどん自身に目を向けなくっていき、次第に誰も自分のことを愛してくれなくなった」
佐藤「さらに貴方は、刀剣女士の中で早くにあの本丸へと来た方だ。刀剣女士が増えれば、自分の中でどんどん責任感が強くなってきている。
自分がしっかりしなくては、他の刀剣女士達に示しが付かない。例え自分の身に何かが起きても、他の仲間が無事であれば、自分はどうなっても構わない。そう思っているのでしょ?」
明仁「でも、それは逆に、刀剣女士の皆さんからしたら、頼りになる方と言うよりは、自分達が楽できる都合の良い方だと思ってるのですよ」
杏子「っ・・・!」
両サイドから耳元に囁き続けられ、あるはずのないことまで言われ、分かってるはずなのに何を信じればいいのか分からなくなってきた。
佐藤「自分を都合の良い駒としか思っていない方達の所にいて、貴方は本当に幸せなのですか?」
明仁「仲間思いの優しい人、でも裏ではたくさんの苦労や弱さを抱えている。そんな貴方のことを誰も理解しようとしてくれない。そんなの、貴方にとっては人生不公平なものだ」
佐藤「ですが、彼の本丸にいれば、貴方はもう苦しむことはなくなる。望みがあれば、何だって叶えてくれます」
明仁「そう例えば、他の刀剣女士達にはもう近寄らないとかね?」
杏子「!?」
それを聞いて、すぐに後ろに飛び引いて離れた。こいつ、今なんと言った?何を目的としてそんなことを言うの?
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