6.堂々としたカンニング ページ7
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不意に手が握られた
隣を見ると、幼なじみがそっとはにかむ
「でもね」
クククッ‥‥とレールが音をたてた
「楽しみにしてたっていうのはホントだよ!」
ふっと一瞬体が平行になる
その瞬間
ガシッ
『へ?』
「‥‥きゃ」
ク、ク、クククッ‥‥ゴーッ!!
「きゃあああああっっ!!!」
『ちょっ蘭、いたっ手痛い手!!! ぎゃあああぁぁっ!!!!』
フリーホォールにより盛大に舞い上がった髪に遮られる視界
そして強く握られた手(心なしかメキメキいってる気がする。気のせいか)の安否を心配する暇もなく喉から悲鳴がほどばしった
右、上、左、今度は‥‥あれ、どっち?
馬鹿になってしまった平衡感覚とユサユサ揺さぶられる視界
体の血液を思い切りかきまわされて、私が軽く酔ってうっぷとなっていると、しばらくしてから皆の悲鳴が楽しげなものに変わる
そんな声も風にまきこまれ、更に揺さぶられた私は握られていない方の手で額をおさえた
うっぷ、よったかもしんない
しばらくすると‥‥視界を闇がおおう
そして
ピチョン
『うっ』
頬に冷たいものがあたる。雨ではない
コレ、は
「ぐあああっっ」
背後で断末魔の悲鳴が聞こえ、私は体を強ばらせた
生暖かい液体が私たちにふりかかる
「きゃああっ、なによ!コレっ」
蘭の悲痛な叫びに私は覚悟を決めて彼女の手をしっかりつかむ
そして、視界に光が戻ってきた瞬間、思い切り頭を後ろにむけた
『っは』
鮮血が吹き出し、ジェットコースターを濡らしていく
凄惨な光景に、ジェットコースターがパニックに変わった
涙を流しパニック状態の蘭の手を握り、大声でいう
『落ち着け! 大丈夫だから!』
そして、ジェットコースターは滑る様に乗り場へと戻っていった
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倒れている死体の側にひざまずき、少し黙祷をすると、一応調べているふりをする
いや、犯人もトリックも分かっちゃってるからね私。バリバリカンニングだから
黒ずくめの男たちが背後で騒いでるのを感じてるが、引き留める必要はない
どうせもうじきあの人達がくるでしょ
「警部!ご苦労様です」
「うむ」
この世界に来てからすっかり聞きなれた声
『目暮警部』
「おおっ! 工藤くんじゃないか!」
ジンたちがこちらを勢いよく振り返ったのを感じた
その場がざわっとする
「工藤ってあの女子高生探偵の!?」
「ちょっときてきて!工藤ちゃんよ工藤ちゃん!」
「お手並み拝見させてもらおうぜ!」
おいやめてくれ。
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りんず(プロフ) - 湊銀さん» すっごく嬉しいお言葉ありがとうございます!私には勿体ないです‥‥これからも好きと言って頂けるような作品を作れる様に頑張ります! (2018年12月6日 7時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
湊銀(プロフ) - とても、好きです・・・(急にすみません、あまりにも好きすぎて語彙力決壊しました) (2018年12月5日 22時) (レス) id: 29f5c1bd3d (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - もち。さん» 私も好きです‥‥(突然の告白返し (2018年12月5日 18時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - 好きです…((突然の告白 (2018年12月5日 17時) (レス) id: 06ef4b6d18 (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - 黒い通行人さん» 黒い通行人様、コメントありがとうございます! そうですね、読みはそのままになります!有希子さんが押しきってこの名前にして、よく名前だけ聞いて男に間違えられるという裏設定があります。これからも更新頑張りますので楽しんでもらえたら嬉しいです! (2018年10月10日 15時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんず | 作成日時:2018年10月9日 20時