私、工藤新一はこの街で【名探偵コナン】【成り代わり】

プロローグ:第二の世界で起床する ページ1

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『ふぁー』


何だか高い体温とともにバッチリと目が覚めた

何故だか開きにくい目。必死に視界を開こうとして固まった



「あら！ この子今何か言ったわよ！」

「元気に育つといいなぁ。 美人になるのは間違いなしだが」

「あったり前じゃない！ 私達の子供なんだから！」




どうしてだろうか。ひっじょうに見覚えのある顔が二つ。私を見下ろしていたのだ

それもとんでもない美男美女



私は驚いて言葉を喋ろうとした



『ふぇっ、？』




‥‥なんだこれ




上手く喋れないとかそういうレベルじゃなくろれつがまわらない

そして喋った私にまた大喜びする美男美女





‥‥状況を、整理しよう

私はどうやら寝かされているらしい。じたばたと身をよじるとやけに重い頭と短い両手足

私なら入れもしないだろう小さなスペースにゆうゆうとねっころがっているこの事態

頭上には赤ちゃんをあやすときにつかうぷらぷら揺れるおもちゃ。なるほどベビーベッドか




なるほど、じゃねーよ



美男美女の向こう側に姿見があるのが見えた。必死に目をこらすと、鏡の中にこれまた必死で此方を見ようとしている


‥‥赤ちゃんの姿があった



可笑しいな。私は三十路までとはいかなくとも成人済み、すなわち立派なレディだったはずだ


自由のきかない状態で視界を見回す





どうやらここら家の中のようだ。でも私の一人暮らししてた家じゃあない

状況から考えてこの美男美女の家

そこまで考えて、私は今まで触れてこなかった。いや、触れないようにしなかった思考にさわった




『‥‥あう』




工藤 優作。 工藤 有希子

とても有名な顔だ。しかし現実世界じゃない


いわゆるあっち側(二次元)である

そしてとどめと言わんばかりに、美女が言った


「きっと賢い子になるわ！ ね、新一！」






前世などわからない。そもそもここが今世とか私認めてない。それでも、いやがおうに浮かんでくる心当たり


累計発行部数 1億5000万部。堂々と漫画業界の最前線を駆け抜け続けるあの、推理と恋愛と殺人にみちあふれたコミック







＿＿＿＿総じて察するに‥‥ここは、どうやら彼の有名な【名探偵コナン】の世界らしい





問題は。
どうやらその殺人ラブコメディーの彼の有名すぎる主人公様に私がなってしまっているらしいという事だ



おいどういう事だ。トラックにはね飛ばされた記憶も通り魔に刺された記憶も、ましてや神様(笑)に出会った記憶もないぞ




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