【名探偵コナン】婚約破棄されたらなぜかモテ期が来た② (ページ10)

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｢座ってください｣

『あの…ですね。これにはワケがあって、』

｢座れ｣

『ハイ』

安室さんが近付いてきて涼しい顔で肩を掴んだと思えば、顔はにこにこと笑顔を絶やさずに降谷零の口調で誰にも聞こえないくらい小さな声が降ってくる。

光の速さで道路の真ん中で正座をすれば、仁王立ちした安室さんの後ろからこれまた貼り付けの満面の笑みを浮かべた緑川さんがにょきっと顔を出す。

『緑川さんと安室さんってお知り合いなんですね』

｢透とはポアロのバイト仲間なんです｣

『へえ、緑川さんもポアロの店員だったんですね』

｢まあその話はどうでもいいじゃないですか｣

『……スイマセン』

ぴしゃりと話を断ち切った安室さんは相当不機嫌なのか言動に少しばかし棘が含まれていて、さっきからチクチクと心を抉っていく。

緩んでしまった姿勢をぴんと正して痺れ始めた足に鞭を打つ。

｢器物破損に道路交通法違反。

貴女には警察官としての自覚はあるんですか？｣

『あはは〜……』

｢反省していないだろ｣

『敬語外れてますよ』

周りに人がいないからって何も知らない緑川さんがいるのに思いっきり素を出したらダメでしょ！

ほらそのあむぴ最大の武器の王子様スマイルが崩れてるから！！

慌てて口を抑えようと立ち上がろうとしたら、足がびりびりと痺れてアスファルトに逆戻り。

｢何をしてるんだ｣

『そのバカにしてる目やめて』

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