【名探偵コナン】婚約破棄されたらなぜかモテ期が来た② (ページ3)

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別れたなんて聞いてないぞ！？と耳元で叫ばれるから慌てて班長の口を抑える。

いやいや別れた理由を教えろなんて喚いているけど、目の前に元彼がいるのに呑気に話すやつなんている？？

あとでたっぷり事の経緯を話してあげるから頼むから今は黙ってて。

カウンターに背を向けてひそひそと顔を寄せあって小声で話していれば｢あの｣と声の高い聞きなれた声が背筋を凍らせる。

｢ご注文はお決まりですか？｣

｢ハ、ハムサンド……2つ｣

｢お飲み物はどうしますか？｣

『えっと、ココアと…班長は？』

｢…コーヒーで｣

｢かしこまりました｣

にこっと口角を上げた笑顔を残して裏へとはける後ろ姿が見えなくなった瞬間、2人揃って大きくため息を吐く。

『……寿命が縮まった気分』

｢同感だ｣

やっと軽くなった空気をめいいっぱい吸い込めば、班長にぽんっと肩を叩かれる。

｢あ！Aさんお久しぶりです！！伊達刑事も！｣

『あ、梓ちゃん〜！！！』

｢おお！元気そうだな！｣

裏口からドリンクを持ってひょっこりと現れた梓ちゃんに手を伸ばせば握ってくれてぶんぶんと振り回される。大ダメージを受けた心に染みる天使の笑顔に引きつっていた表情筋がほぐれていく。

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