【名探偵コナン】婚約破棄されたらなぜかモテ期が来た② (ページ14)

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｢はぁー、｣

『こら取調室で煙草吸わない』

｢ああ取らないでよ〜｣

『目暮警部に怒られたらどうすんのよ』

流れるように口に加えようとした煙草を奪って胸ポケットに入れていた携帯用灰皿に押し付ければあっという間に火が消えていく。

あー、臭い臭い。
早く窓開けないとさっき食べたカツ丼リバースしちゃう。

仕方ないからと重い腰を上げて窓に手を伸ばせば、ぱしっと手首を掴まれる。

掴んだ彼の顔を覗き込めば、珍しく動揺したような。いつもの掴みどころのない萩原とは別人のような焦ったような顔。

｢……なにそれ｣

『？なにって？』

｢なに、お前煙草死ぬほど嫌いだったじゃん｣

『うん？今でも嫌いだけど？』

｢じゃあなんでお前がそんなもん持ってんだよ｣

『喫煙者になったので』

｢は？意味わかんねえよ…｣

むしゃくしゃしたように舌打ちをしながら頭を搔く彼はいつものように口角を上げることはなく、垂れ目の瞳を細めながら随分と口調の崩れた毒を吐いてくる。

女の子は絶対に名前にちゃん付けで呼ぶ主義の萩原さんなのに。お前呼びするとは、こりゃ相当不機嫌ですね〜。

片手で数えるほどしか見た事のない萩原のイラついている姿は傍若無人で、いつも睨みつける松田以上に殺気が飛んでくるからあんまり関わりたくないんだけど。

それにとってもめんどくさいし。

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