解体できない代物 【松田陣平】

CASE:45 “小さな訪ね人” ページ47

松田「あぁ。まぁ、楽しみにしてな。それと悪いようにはしねぇから安心していい。……あ、待てよ？昼飯なら良いけど晩飯に"あそこ"は向いてねぇか…。」

萩原「昼飯？…あー。"あそこ"か！いや、良いんじゃないの？男の俺らが普通の量だと物足りないだけで、女の子たちは好きでしょ。Aちゃんはいろんな意味で喜びそうだし。」

萩原先輩には、場所がどこだか通じているようだ。

A「先輩たちが物足りないならいいですよ〜！場所だけ教えて下されば後日――。」

松田「あのなぁ、『会わせたい』って言ってんのに仲介役の俺らがいなくてどーするよ。まぁ、それは追々決めるとして…今日のところは帰ろうぜ。19時回ったしよー。面会時間、20時までだろ？……ハギと2人で送ってくから。」

A「時間…そうですね、とりあえず病院からは出た方がいいですね。えぇっ！先輩2人に送っていただくなんて、贅沢すぎて申し訳ないですけど…。」

萩原「何言ってんの、病み上がりなんだし今日は甘えるところなの！Aちゃんは普段頑張りすぎてるんだから！」

結局、萩原先輩に今日ぐらいは甘えるようにと言葉巧みに言われ、「両手に花」ならぬ「両手にイケメン」の状態で家まで送ってもらった。

萩原「ホントに、眠れなかったりしたら電話なりメッセージなりしておいでね？」

松田「マジで無理すんなよ。ちゃんと聞いてやっから。」

A「先輩方、本当にありがとうございます！頼りにしてます。」

こうして、私は「入るまで見届ける」と言って決して折れてくれない先輩２人に見送られ自宅マンションに入り、自室の窓から彼らを見送った。


＊＊


松田「A、いるか？」

そう言って松田先輩が私を訪ねてきたのは…倒れて一時入院した２日後のこと。
ちなみに、昨日の出勤時、宮本先輩に引くぐらい心配されて怒られたのは…言うまでもない。

宮本「うげっ、松田さん…。」

松田「おい。宮本、聞こえてんぞ。」

A「はい！松田先輩、お呼びですか？…宮本先輩は松田先輩にそんなに怯えないで下さい。…ん？コナンくんと哀ちゃん！」

コナン「Aお姉さん、大丈夫？」

哀「あなたが『病院に搬送されたけど、すぐには面会に来るな！って松田刑事から連絡が来た』って江戸川くんから聞いたから…心配したのよ。」

A「そっか。それで私を心配して、わざわざ放課後に来てくれたんだ…ごめんね。もう大丈夫だから。」

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