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続き ページ28

リーアの後に続いて、歩き出す。
後ろも前も横も、何処もかしこも死体ばかり。
だが、男性宿舎に近付くにつれて明らかに数が減っているし他の人の声が聞こえる様になって来た。
「エルちー!」
「ノエル!」
テントの中を覗いてみれば、治療を受けている人も居れば厳しい表情で話している人も居る。
その中で非常食を配り終わったらしく額を拭っている人物に視線を向けてみれば、見覚えのある人物で。
向こうも気付いたらしく、お互いに驚きの声を上げながら指を差し合う。
リーアはテントの端部分に2人で居て良い、と言ってはそのまま去って行く。
多分この状況下で司令塔の様な役目を担って居るのだろう。
「エルちー、聞いたよね……警報システムの……」
「……うん」
ノエルが、此方を気遣っているのか恐る恐るといった様子で口を開く。
「本当に……如何してだろう、あんなに良くしてくれたのは最後だったからなのかな……私も死ぬと思ってたのかな……」
何とか宿舎が襲撃される事は無かった為良かったものの、宿舎の目の前で敵味方関係無く騎士らしき人達が死んでいたという事は其処で守っていたんだろう。
もし守れていなければ、部屋に踏み込まれた可能性も有る。
「宿舎に居た人は結構残ってるんだ。外に出た瞬間襲われてって人は居るみたいだけど、私達が治療してるから」
「そっか……」
「来たぞ!」
外が騒がしくなる。
白衣を纏っている医療班の面々が、急いだ様にテントの中に逃げ込んでくる。
「行ってくるね、ノエル」
「うん、気を付けて」
置いていた剣を持ち、テントを出る。
「……え」
其処に立って居たのは、シュルクだった。
普段通りの笑顔を浮かべているシュルクの後ろには、他国の騎士団の制服を身に纏った人が何人か立っていた。
一目見て分かる。
全員が、強者だ。
「シュルク、何で……」
呟けば漸くシュルクはエルシアの存在に気づいたらしく、嗚呼、と大袈裟に手を広げながら話し始める。
「何で?もし戦争をした際、軍が居ないこの国では騎士団が対抗する事になる。この騎士団は脅威でしか無い。そう判断したんだよ」
「貴方は……何なの?」
「僕?僕はシュルク・イェン・メリタ。メリタ王国の第4王子。この人達は護衛として付いて来てくれたんだ」

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作者名:黒洞揚羽 x他6人 | 作成日時:2020年11月29日 1時

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