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続き ページ23

「……お腹減った」
「あれだけ起きるのギリギリだったって事は、朝ご飯食べてないでしょ。作っておいたサンドイッチ有るから、良かったらそれ食べる?」
「うん」
即答した後にくすくすと笑うシュルクを見て、少しむっとした表情を見せれば更に笑う。
そんなシュルクから直ぐに差し出された皿に乗っているサンドイッチを頬張る。
「美味しい……流石シュルク」
「褒めても何も出ないよ〜」
そんなやり取りをしていると、シュルクがテレビに向かう。
訓練試合の映像を流すのだろう。
「ん、ご馳走様」
「ゆっくりで良かったのに」
「だってそっちに集中しないといけないから」
持参したティッシュで口元を拭えば、笑い掛ける。
「じゃあ流すよ」
スタートを押せば、かなり綺麗に映像が映る。
途轍もなく短期決着だったエルシアに直ぐ話し掛けた事を見ると、多分此方の試合も直ぐに終わったのだろう。
静かに集中して映像を見ていたが、終わった後に2人揃って溜め息を吐く。
「僕弱いなぁ……」
何とも否定出来ないのが辛い。
だが──
「筋は有るけどね、反射神経が足りてないだけで」
剣の扱いが下手だと言うが、今までの訓練のお陰かかなり上達している様に感じられる。
ならば問題は、相手の攻撃に、防御に、直ぐさま反応出来る力が無い事にある。
「反射神経かぁ……」
「反射神経なら鍛える方法はいっぱい有るから、団長に相談してみたら?シュルク以外の団員にも足りてない人は居たから」
「うん、明日言ってみるよ」
2人で顔を見合わせて笑った後、再び口を開く。
「だからと言って、剣の練習を怠ったりするとまた出来無くなっちゃうからね?」
「……頑張る」
「約束だよ」
「うん」
シュルクは頭こそ良いけれど、これだ!と決めたらそれしかやらなくなってしまう所がある為、こうやって釘を刺しておかなければ。
約束は守る男だから、多分これで大丈夫だろう。
「これからどうする?ずっと此処に居ても良いけど……」
「ううん、帰る。私服に着替えたいし、机の上も散らかったままだから片付けないと」
こんな堅苦しい格好でずっと居るのは嫌だ。
それに、昨日の夜に使っていたペンやら紙屑やらが散らばっていた筈。
さっさとそれを片付けなければ。

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作者名:黒洞揚羽 x他6人 | 作成日時:2020年11月29日 1時

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