２６３★ 〜J〜 ページ23
タンタンと小刻みに刻まれる革靴の底が床を鳴らす音が室内にこだましてる。
その音は２時間前から始まったが、時間が経つにつれてリズムが早くなっていき…
「…クッソ。」
ミスタッチが多くなり…
「…潤。」
声がこれ以上ないってくらい低くなる。
Aちゃんが姉貴と出掛けて行ってまだ３時間足らず。
ホント…
大学始まったらどうすんだよ…。
毎日毎日、早く会いたいが為に送迎しそうな勢いだ。
スケジュール管理する俺の身…
そして、合わせる社員の身にもなってくれ。
言ったところで、『お前らが俺に合わせるのは当たり前だろうが』と言い切るんだろうけど。
社長にバレない様に小さくため息をつき席を立つ。
「何でしょう？」
「Aはまだか。」
それ同じ質問何回目よ？
「はい。まだ姉貴から連絡はありませんので、もうしばらくかかるかと。」
「移動時間もあるし、間に合わねぇと困るから由美に連絡して急がせろ。」
「はい。」
チラッと時計を確認して、最もらしい理由つけてるけどパーティは２０時から。
まだ１４時前。
目的地までは車でおよそ２時間。
色々なリスクを考慮しても１６時くらいに都内を出れば十分間に合う。
明日は午後から出社予定だから、ある程度は仕事に目処をつけてからここを出たい。
俺はそう思ってるのに…
「あと３０分したらここを出る。由美に伝えろ。」
「…はい。かしこまりました。」
結局、俺の思い通りにはならない。
俺が苦労して立てたスケジュールは、この俺様には意味を成さず…。
またまた、ため息だけが俺の口から零れ落ちる。
「潤。」
ヤベ…
ため息気づかれたか…？
デスクに戻る途中で振り返り社長を視界に入れる。
社長は変わらずパソコンの画面を見たまま、キーボードを打つ手を止める事もなく。
「あんま俺を見くびんなって言っただろうが。」
「はい？」
最後のEnterボタンを押したのか、大袈裟なくらいのタッチ音の後で、パソコンの画面からゆっくり俺に視線を移動させると、不敵に笑う。
どういう事だ？と戸惑う俺の背後でプリンターが始動した音が聞こえ。
「え？」
そちらを振り返る背後で、『着替えてくる』と席を立った気配がして。
俺は急いでプリンターから排出される英文の書類を手に取り視線で文章を追う。
「…完璧だし…。」
どんなにこき使われようと…
やっぱり翔くんは俺の憧れで、一生ついていきたいって改めて思わされるんだ。
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ゆーか.Ss.Kn.Ti(プロフ) - 俺様しょーちゃん素敵でした！夢主以外は冷酷な鬼社長なのに夢主には甘々な社長のギャップがとても良かったです！ (2018年5月23日 11時) (
レス) id: 46f7e9ba0d (このIDを非表示/違反報告)
sallysally67(プロフ) - 一気に読み漁りました。んも〜溺愛ぶりがたまらないです。甘い甘い雰囲気の中で素敵な言葉が交差するので、余韻に浸ることができて夢心地。櫻井社長の気持ち良い程の溺愛に思えるのは、しおななさんの紡ぐ言葉だからこそですね。 (2018年5月18日 9時) (レス) id: 8738f1c5dc (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - う〜ん、ここまでくるとお見事！としか言いようがない〜 めっちゃ楽しかったです (2018年5月10日 10時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
wakana2145(プロフ) - また、この小説が読めて凄く嬉しいです！！溺愛翔くんに何度読んでもにやけてしまいます！ほかの作品も楽しみしています、頑張ってください！ (2018年4月25日 21時) (レス) id: 567c211a3d (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - 凄く嬉しいです、更新ありがとうございます。 (2018年4月9日 13時) (レス) id: 328b884698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2015年9月25日 11時
