２５３☆ ページ13
なぜかケンちゃんまで、うちでご飯を食べる事になり…
お父さんの前では仮面を被る翔さんに対して、昔っから息子の様に接してきたケンちゃんはお父さんとも対等で。
車の運転がある翔さんはお酒を控えてるのに、仲良く晩酌する二人を見ると翔さんがあまりに不憫で可哀想になって。
翔さんだけが余所者で、疎外感を感じてるだろうと…
小さな頃から家族という物に縁がない翔さんには残酷過ぎる。
早々に切り上げようと、片付けの手伝いをしてると、隣でお皿を洗うお母さんが、
「お父さんの気持ちもわかってあげなさいね？」
って私に視線を向ける事なくボソッと言った。
「あなたをこんな早くお嫁に出すなんて思ってなかっただろうし…。」
「…。」
「柚月とあなた、歳離れてるでしょ？」
「…うん。」
「なかなか授からなかったのよ…。」
「え？」
「柚月が産まれて１０年近くなって…諦めかけてた頃やっと授かったの。」
そんな話…初めて聞いた…。
「柚月は柚月で可愛いのよ？」
「…うん。」
「けど、あのコは人一倍しっかりしてるし…あなたは甘えん坊でパパっコだったから余計に寂しいのよ。」
「…。」
「可愛い娘二人が時同じくしてお嫁に行っちゃう父親の気持ち…ちゃんとわかっててあげて？」
翔さんと結婚できる事で舞い上がって、お父さんやお母さんを思いやる気持ちが欠けてた…。
結婚って当人同士の気持ちがもちろん一番大事だけど、家と家との結びつきでもあって当人同士の気持ちだけの問題じゃないのに…。
「ごめんなさい。」
「ふふふ。いいのよ。親の気持ちは親になってみないとわからないわ。」
「お母さんはどうして今…？」
「うん？そうね…子供だと思ってたあなたも素敵な男性を連れてきて結婚する…大人になった今なら…今だから言うべきじゃないかってね。」
お皿を洗い終わったお母さんは布巾を手に取ると、私が濯いだお皿を拭き上げていく。
「あなたは学生だし、もっと…何て言うの？普通？の男の人だったらお父さんも反対できたでしょうけど…彼じゃ非の打ち所がなくて反対もできないわ。」
笑いながら言うお母さんも、笑ってはいるけど寂しそうって言うか…心配そうで…。
「同棲の話があった時から覚悟はあったでしょうけど。」
「そうだ！同棲の時の話って？」
翔さんは教えてくれないし。
「それはお父さんと彼の秘密じゃないのかしら？」
柔らかく微笑みながらまたも躱されてしまった。
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ゆーか.Ss.Kn.Ti(プロフ) - 俺様しょーちゃん素敵でした！夢主以外は冷酷な鬼社長なのに夢主には甘々な社長のギャップがとても良かったです！ (2018年5月23日 11時) (
レス) id: 46f7e9ba0d (このIDを非表示/違反報告)
sallysally67(プロフ) - 一気に読み漁りました。んも〜溺愛ぶりがたまらないです。甘い甘い雰囲気の中で素敵な言葉が交差するので、余韻に浸ることができて夢心地。櫻井社長の気持ち良い程の溺愛に思えるのは、しおななさんの紡ぐ言葉だからこそですね。 (2018年5月18日 9時) (レス) id: 8738f1c5dc (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - う〜ん、ここまでくるとお見事！としか言いようがない〜 めっちゃ楽しかったです (2018年5月10日 10時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
wakana2145(プロフ) - また、この小説が読めて凄く嬉しいです！！溺愛翔くんに何度読んでもにやけてしまいます！ほかの作品も楽しみしています、頑張ってください！ (2018年4月25日 21時) (レス) id: 567c211a3d (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - 凄く嬉しいです、更新ありがとうございます。 (2018年4月9日 13時) (レス) id: 328b884698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおなな
| 作成日時：2015年9月25日 11時
