シンデレラ・ディレクション《ars/k.n/0617》 (ページ35)

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Episode5 -7 ページ35

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そっか、二宮さんに相談してみるって言うのはどうだろう。

同じゲームの製作メンバーだし。

「俺もなにか新しいものやってみます」

「時間の許す限りでいいよ」

「私、帰りにゲーム売り場とか覗いてみます」

「任せる」

そう言いながら櫻井さんはぐるりと肩を回した。

あんまり休めていないのだろうことは想像に難くない。

いつもなら飲みにでもなんて話でも出したいところだけど、今はそうもいかない。

「あ、そうそう、リスケになった会議だけど水曜日に決まったから」

ふと思い出したように櫻井さんが言った。

「わかりました」

私と松本くんの声が重なる。

ということは、水曜日までに何かを絞り出さないとまずいだろうか。

私は机の端に置いていた手帳を引き寄せて六月のページを開いた。

会議の予定を書き加えながら、明後日は二宮さんに会えるんだな…とちょっとだけ頬が緩む。

会ったら心配してもらったお礼を言わないと。

「じゃあよろしく。……あ、それともう一個」

どこかへ行きかけた櫻井さんがくるりと振り向いて付け足すように言う。

「休み、来週以降で調整するから希望出しといて」

「わかりました」

櫻井さんはそれだけ言ってまた背を向けてしまった。

ちょうど開いていた手帳に目を落とす。

予定という予定は入っていない。

いつもで良いことにして提出するか…いや、智兄さんの休みの予定を聞いて合わせる方がいいかな。

そう思いながら私はスマホを取り出して智兄さんに連絡を入れた。

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