Episode2 -2 ページ13
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櫻井さんが仕事仲間のフォローに余念がない出来る上司であることを知っているからである。
「ちなみに今だって男の恋助けてるから」
「それは嘘ですよね」
「ひっでぇな」
またケラケラと櫻井さんが笑った。
こんなやり取りはうちでは普通のコミュニケーションである。
ふいに首筋を撫でたエアコンの風にふるりと肩を震わせる。
今日は曇りで陽が出てないからかちょっとだけ寒い。
「大野、コーヒーでも飲む？」
立ち上がりながら櫻井さんが言う。
「いいんですか？」
「いいよ別についでだし」
「じゃあカフェラテで」
「オッケー。聞いてたよね松本、俺はブラックで」
「はいはい聞いてましたよ」
突然話を振られた松本くんがため息をついて立ち上がる。
「ごめんね松本くん」
「おはよ犀、いやいいよ、ちょっと待ってろ」
立ち上がった櫻井さんはそのまま私の横を通り過ぎて会議室の方へ行ってしまった。
その途中でエアコンパネルを軽く触る。
何やらちょっと忙しそうな雰囲気が漂っていて私は首をかしげる。
「松本くん、櫻井さん忙しそうじゃない？」
「ああ。今朝も早かったみたいだな。何か新しい仕事でも始まるんじゃないか。はいカフェラテ」
「ありがとう」
松本くんから受け取ったカフェラテに口を付けながら櫻井さんのデスクを見る。
積み上がった資料にはちょっといびつな字で「急ぎ」だとか「今日中」だとか付箋のメモが張り付けられた資料が散らばっている。
突然、首筋を撫でていた風がやんだ。
「あ」
思わず上を見るとエアコンの威力が弱まっている。
「櫻井先輩が弱めてくれたのかな」
「そうだね」
わざわざエアコンを操作してくれたのかと思いながら私はまた一口ホットのカフェラテを飲んだ。
このカフェラテも私が寒そうにしていたのを見たから淹れてくれたのかもしれない。
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ペペロンチーノ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます^ ^ Episode6-10がピリオドだけになっていま！手違いでアップされたなら、これを読んで気づいていただければ…！ (2020年7月12日 21時) (
レス) id: 11672b536d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年6月17日 11時
