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大「おはよ、薮くん!」
薮「おー!大ちゃんは今日も元気だな!」
そう言ってハツラツと笑う薮くんは今日もカッコいい。
背が高くて、スタイルが良くて、大人っぽくて。
俺には敵わないものばかり。
光「おい薮!はやく着替えんぞ!」
薮「おぉ、今行く!じゃ、俺着替えてくるわ」
じゃあな!と爽やかに駆けていく後ろ姿に今日も密かに敗北感を覚えながら隣を見ると、いのちゃんは薮くんが駆けていった先の光くんを見ていた。
大「…いのちゃん?どうしたの?」
奥歯を噛み締めて何かを必死に我慢しているような苦しそうな顔をしていたからつい、そう声をかけた。
どうしたのかなんて、聞かなくたって分かっているのに。
伊「ん?…いや、何でもないよ。暑いな〜って考えてただけ」
ふんわり、無理して笑う顔に胸がズキッと痛んだ。
俺ならそんな顔…
ついそんな言葉を言ってしまいそうになるけれど、いのちゃんにとっての『幸せ』に必要なのは俺じゃない。
だからこの恋は叶わない、叶わなくていい。
いのちゃんが幸せになるなら、俺はそれで十分満足だから。
たとえその幸せが俺から与えられたものでなくても。
だらしなく溶けていたいのちゃんを何とかソファから引き剥がして衣装に着替えさせスタジオに入ると、薮くんと光くんのツーショット撮影が始まっていた。
タイミング悪いなぁと苦笑しつつ横目で隣を見上げると意外にも視線がぶつかった。
大「…どうしたの?俺なんか変?」
予想外の視線に体温が急激に上昇していくのを感じる。
しかも視線を外して泳がせても、視界に入ってくるのは汗ばんだ首筋や既に着崩して肌が見えている浴衣の胸元ばかり。
きっと今俺は首から耳まで真っ赤に違いない。
伊「…そういえば今日、七夕だったなと思って」
大「はぁ?」
あまりにトンチンカンな回答。
いのちゃんが嘘をついているのは明白だった。
伊「星、見えるとこ行こうよ。どうせ俺らの撮影まだまだだし」
大「えっ!あ、ちょっと…!」
強引に引っ張る手を振りほどかなかったのは彼のためか、俺のためか。
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ちゆひあにゃん(プロフ) - ゆあさん» コメントありがとうございます…!素敵と言っていただけて嬉しいです(*^^*)このお話は大体書く内容が最初から決まっちゃってるので…短編集作りたいと思ってるので、そちらで書かせていただきますね!貴重なアイデアありがとうございます(*^^*) (2018年6月25日 0時) (レス) id: 0a49e2f1a8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - 前作のやまちねとても素敵でした…!!よかったらですが、大ちゃんと仲良くする知念ちゃんに山田くんが怒るけど、最後は甘い2人が見て見たいです…時間があればお願いしてもよろしいでしょうか?? (2018年6月24日 14時) (レス) id: 13aa0fd7e6 (このIDを非表示/違反報告)
ちゆひあにゃん(プロフ) - 凛さん» お返事遅くなってしまい、すいません!コメントありがとうございます(*^^*)本当にノロノロ更新ですが、これからも読んでいただけたら嬉しいです! (2018年6月24日 3時) (レス) id: 0a49e2f1a8 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - やぶありの過激な裏も是非とも見たいなと思いました!この作品大好きです!頑張ってください! (2018年5月19日 9時) (レス) id: 1ac15466af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゆひあにゃん | 作成日時:2018年3月27日 21時