聖夜【KZ】

C ページ1

Version 彩
￣￣￣￣￣
今日はクリスマスイブ｡

中学生にもなってという感じだけど､いつもより明るい街の様子とか､ひっきりなしに聞こえてくるクリスマスソングとか､クリスマス独自の特別感で気分が上がるのは否定できない｡


私は今､ママに頼まれたおつかいを済ますために外出している｡

マスクをして｡

アルコール消毒液を持って｡



例年なら気分はルンルンで全力でクリスマスを楽しむけど｡

街の人々の顔は曇っていて､それも確かか分からないほどマスクで覆われている｡


世界､どうなっちゃうんだろ…


最近やっと慣れてきたというか､慣れるしかなかったこの状況に急に不安を覚えた｡


早く帰ろ


大急ぎでスーパーに入って買い物を済ませる｡

レジでも店員さんとの間には透明のシートがあって､余計に私の気分を暗くした｡



もう嫌だ


いつのまにかこんな状況になって


人と密になることを禁じられた



それが



こんなにも



こんなにも



辛いことなんだって､思ってもみなかった




1人って怖いんだと実感した



自分の微力さも改めて感じた






自然と足が速まった

あっという間に家に着いた




彩：ただいま


ママ：お帰り〜〜



優しく出迎えてくれたママの顔をまともに見ずに､手を洗いにいった

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