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ふと目を覚ませば船内が落ち着いていて、一昨日ぶち当たった大嵐も何とか切り抜けたのだと分かった。
身体を起こすとしばらく悩まされていた左腕の痛みもかなり引いていて、はぁと息をついた。
「起きてるか？」
「…………どうした」
ノックと共にかけられた声に返事をすれば、ホンゴウとベックが顔を出した。
「昨日より顔色が良いな、痛みは引いたか？」
「ああ、だいぶ」
「そりゃ何より」
「こっちは何も問題ない」
「……そうか」
「そろそろ何処かの島か商船から補給したいところなんだが……まぁ、この様子なら大丈夫そうだな」
腕を触りながら俺の反応を見るホンゴウと航路の相談をするベックの話を流し聞きながら、何となく隣の部屋に視線を向けた。
「あれから十日は経ってる。Aの体調も天気も悪くないから医務室に引き留める理由がない」
「もう大丈夫だ」
俺の返事に頷いたホンゴウはAなら甲板に出てる、と言い残し出ていった。
「お前はまだ何かあるのか？」
汗で張り付いた服を脱ぎ捨てながらベックに聞けば、じっと真剣な目で見られた。
「…………いや、Aに感謝するんだな」
「………ああ、」
俺の返事を聞いてから部屋を出ていったベックを横目で見送ると、滅多に使わなくなった備え付けの風呂場へ向かった。
汗を流しながらどんどん覚めていく頭は、あの日のことを思い出していた。
思い返せばいつもより気付かれるのが早かった。
Aは姿を現さなかったが、恐らく俺の異変に気付いてベックに相談した後そのままホンゴウを呼びに行ったのだろう。
療養期間と被ったのはたまたま運が良かっただけで、最初から医務室にいた訳ではないのだ。
格好つけていたつもりだったが全く意味がなかった。
それでも、Aはこうして俺に格好つけさせてくれるのだからズルい。
着替えて適当に髪を拭き、新しいタオルを首にかけたまま甲板に出た。
久しぶりの日射しに目が慣れなくて一瞬くらりときたが、風が気持ち良かった。
俺に気付いたクルーに挨拶を返しながらAの姿を探していると、頭上から明るくてキラキラした声が降ってきた。
俺が東屋を見上げるのと、Aが顔を出したのはほぼ同時だった。
「！、シャンクスおはよう！」
「……ああ、おはよう」
久しぶりに見るAの笑顔の眩しさに目を細めながら、胸があたたかくなるのと同時にぎゅっと締め付けられたような気がした。
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
