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この数日は海軍も海賊も現れることなく順調に航海をしていたのに、何だかパッとしない天気だなぁと思った日の夜。
読書をしながら寝落ちた私は、深夜にふと目を覚ました。
働かない頭で何とか本に栞を挟み、付けっぱなしだった灯りを消した。
寝直すためにベッドに潜り込んだところで、隣の部屋からドサッという鈍い物音が聞こえた。
シャンクスが酔い潰れてベッドまで辿り着けずに床にぶっ倒れたまま寝落ちたりすることがあったので、今日もずいぶん深酒をしたんだなと苦笑いして目を閉じた。
異変を感じたのは、それから数分後のことだった。
思いの外しっかり寝落ちていたらしい私は中々寝付けなくて、何度目かの寝返りを打っていた。
「……っ、!!」
静かな部屋に苦しそうに小さく呻く声と何かが落ちる物音が聞こえ、パチッと目を開けた。
しばらく耳を澄ませていると苦しそうに呻く声が何度か聞こえてきたので、私は自室を飛び出した。
「夜分にすみません、少しお時間頂けますか？」
声を潜めながらノックし続けると、すぐに返事が聞こえて扉が開いた。
「……こんな夜中にどうした？」
中から出てきたベックさんは寝ていたのか若干不機嫌そうに眉間に皺を寄せているし、人相が三割増しで悪くなっていた。
「お、遅くにすみません！でも、何かシャンクスの様子がおかしい気がしたのでとりあえずベックさんに相談に……」
「酔って何処かにぶつけたんじゃないのか？」
「最初に物音が聞こえた時はそうかなって思ったんですけど、少し経ったらもっと苦しそうに呻く声が聞こえてきて……」
私がそう言うとシャンクスの部屋の方に視線を送ったベックさんは、数秒後にハッとしたような顔をしてホンゴウを呼んできてくれと言いシャンクスの部屋に向かって走っていった。
やはり只事ではなかったのだと察した私も急いで医務室に駆け込み、ドクターを起こして事情を説明した。
「すぐに行く！Aはここでゆっくりしてろ」
「はい」
私に頷き返したドクターは、棚からいくつかの瓶と医療道具が入ったバッグを手に取るとシャンクスの部屋へ走っていった。
「幻肢痛……」
数十分後に医務室に戻ってきたドクターは、くたびれた顔でシャンクスの様子を教えてくれた。
利き腕を失ってまだ一年くらいだというのに普段は全くそれを感じさせないのだから、シャンクスは本当に凄い人だと思った。
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
