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翌日、出港する前にAはリブロ島を背景にレッド・フォース号の写真を撮った。
「最初の1枚はレッド・フォース号って決めてたんだ」
船が大きくてギリギリだったと楽しそうに笑うAを見て、どのように写っているのか気になった。
Aは積み荷を運んだり出港の準備をするクルーをカメラのレンズを通してしばらく眺めていたが、1枚もシャッターを切ることはなかった。
「撮らないのか？」
「うん、今は良いかなって」
30枚ほど撮れるフィルムだし使い切ったらいつでも新しく買ってやるのだが、Aの考えはそうじゃなかった。
何でもかんでも切り取りたいわけではない、と呟きながら愛おしそうにカメラを撫でた。
カメラを構える度にぎょっとするクルーに苦笑いしながら撮ってないよと言うAだったが、2〜3日もすればカメラにストラップを付け持ち歩くようになったAの姿が俺達に浸透した。
ピースして写りたがるようになったクルーに撮ってないよと笑うAが次に何を撮るのかが気になり、すぐに俺達の酒のツマミ話になった。
今もAが医務室で療養中なのを良いことに、盛り上がっている。
「空じゃないか？」
「よく眺めてるもんな」
「海がキラキラ光るのも綺麗だって言ってたぞ」
「敵船から奪った宝は？」
「「「それだけはないな」」」
Aは宝石などは欲しがらない。
それだけは皆が分かっていたが、宝の山を見る度に感嘆の声を上げ興味深そうに見てはいるのだ。
ただ、欲しがらないものをわざわざ写真に撮るかと聞かれれば答えはやっぱりノーだと思った。
「街並みとかか？」
「次は無人島かもしれないだろ」
「でも砂浜に落ちてる貝殻とか見るのも好きだよな」
「「「確かに」」」
何度頭を捻ってもこれだ、と思うものが見つからない。
俺達が写真を気になってるとホンゴウから聞いたAは、空や海は撮りたいけど特に決めてないし皆には見飽きてるつまらないものでしょ？と言ったらしい。
「……Aが綺麗だと思うものは俺にだってそう思えるのに、つまらないわけあるかよ」
本人のいない所でそう言っても意味はないのだが、直接言ったところでAの答えは変わらないような気がした。
「次はどの島に行く？」
「そうだなぁ……一度どこかで補給してから一週間くらい無人島でゆっくりするのも良いかもな」
「確かに無人島ならAも気にせず過ごせそうだな」
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ちょこ(プロフ) - kaito11さん» ありがとうございます！引き続き続編もよろしくお願い致します！ (5月6日 22時) (
レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
kaito11 - この作品大好きです！これからも更新楽しみにしています！ (4月28日 18時) (レス) @page50 id: a5ae7a5cae (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - NATSUさん» いつもありがとうございます！ (2023年4月15日 17時) (レス) id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
NATSU(プロフ) - 続きがとても楽しみです。 (2023年4月14日 22時) (レス) @page45 id: 01b4412dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 白雪さん» 初めまして、大好きと言って頂けて本当に嬉しいです。更新の励みになりました！ (2023年2月27日 21時) (レス) @page28 id: b37865d1d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこ | 作成日時：2022年12月18日 19時
