ハタチだったねそういえば ページ6
「グク!」
「はい。お疲れ様です」
「ありがとう〜」
抱きしめたくなる衝動を抑えて手をバタバタさせると、ふんわりと微笑んでくれる。
そうそうこれこれ。幻ではなかったようだ。
今日はクッパ、とスーパーの袋を見せてご機嫌な表情をするグクが可愛くて可愛くて。
「本当に不思議。グクって癒しの妖精さんなの? 見ただけでこう……マイナスイオンが心に広がるんだけど」
真顔でそう言うと引かれるかと思ったが、思いのままに素直に口に出した。すると、大きな背を丸く曲げて、聞いたことない男の子らしい笑い声を上げた。
「ヌナおもしろすぎっ」
「えっ、アッ、あ、ありがとう?」
「僕もね、本当は人見知りなんですけど、ヌナが優しくて面白いから会いたかったんです。今日お酒飲みませんか?」
「う、うん、飲む」
「焼酎何本買おうかな」
楽しげな鼻歌をよそに、私の耳は自分自身の鼓動ばかりを拾っていた。
──びっくりした。
びっくりしすぎて途中はどもりすぎてカオナシのようになってしまった。
うさぎさんのような、妖精さんのようだったグクが急に年相応の男の子のようになったから。いや、きっとそれが普通で、心を開いてくれている証拠なのだろうけれど。
初対面からめちゃくちゃイケメンだな、とは思っていたのだ。
年下と彼の雰囲気が相まってらちゃめちゃにかわいいうさぎさんフィルターが掛かっていたが、グクはそれはもう本当にかっこよかった。忘れてた、うさぎさんフィルター怖すぎる。
「ヌナ、お酒強いですか?」
「まあ普通に飲めるよ」
「わあ、嬉しいです。明日なにもないですもんね、たくさん飲みまーしょ!」
キャキャと嬉しそうなグクを見つめてああもうどうでもいいかと先程までの思考を放棄して、「そうだね!」と大きな声で返事をした。
考えることを放棄しがち。今に始まった事ではない。
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うに - めっちゃ好きです…このお話に出会えてよかった( ; ; ) (2022年10月14日 19時) (レス) @page44 id: 7083a913c1 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - 狐兄弟 凌さん» 本当ジョングクの黒髪is正義ですよね……何色でも神ですけど……() 私も一応グクより年下やんですが、どうしてもヌナと呼ばれたくて笑 コメントありがとうございます! (2019年11月1日 20時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
狐兄弟 凌 - 確かに黒髪好きですかっこいい!! あの困り顔で首傾げられると死にます可愛すぎて この話も私は中学生だけどヌナ目線で面白かったです!それにグクオッパ呼び嫌いやしー泣 (2019年11月1日 20時) (レス) id: 7d3711d128 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - kokoboboさん» 弟の方まで( ; ; )! ありがとうございます! ジョングク氏は人見知りな分心を許したらどっぷりだろうなと思っていて、それが自然と滲み出ているんだと思います()書くのが楽しかったので、きっとまた何かしら書くと思いますのでよろしくお願いします! (2019年10月20日 14時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
kokobobo(プロフ) - 前回の弟レンタルの話もとても自分の好みで、今回の作品も本当に自分の好み刺さってて神かと思いました!ドロ甘系大好きなのでこれからも機会があったら描いていただきたいです応援してます! (2019年10月20日 14時) (レス) id: 4b3068ef63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちよ | 作成日時:2019年8月25日 20時