いけない呼び方 ページ14
「ヌナ、おかえりなさい」
「あ、グク。起きたんだね、ただいま」
寝起きのふわふわしたグクは、「今日はパスタなんですー」とペタペタ足音を鳴らして私の元へと歩いてきた。
「髪乾かしますよ。ドライヤーどこですか？」
「え？ いいよ別に大丈夫」
「だめです」
腕を掴まれて先ほどまでグクが横たわっていたソファに座ると、再び「ドライヤーは？」と聞かれて、折れた私は彼に髪を乾かしてもらうことにした。
優しい手つきで髪を梳いてくれるグクは楽しそうだ。髪を触られるのが好きな私は、彼の触れ方が気持ちよすぎて体の力が抜けるのを感じた。
「ヌナの髪、綺麗ですね」
「一回も染めてないの。タイミング逃したし、そもそも塾講だからさ」
「わあ、そうなんですね。僕ヌナの髪大好きです」
インナーに青でも入れようかと思っていたがやめた。グクが大好きだって言ってくれるから私もう一生この髪のままでいる。
「……先生」
ドライヤーの熱風の間に、耳元でなる髪の流れる音の間に。……グクの声がすとんと落ちた。
思わず振り向いてしまうと、ブワッと熱を浴びてしまって、グクを驚かせてしまった。
「グ、ちょ、それはだめ！」
「なんでですか。毎日のように呼ばれているでしょう」
「な、なんか、いけないことしてる気分になるから、」
カァッと体全体が熱を帯びて、それを隠すようにグイグイと彼の胸板を押した。
お酒を飲んでもあかくならないけれど、きっと今、すごく赤い。
「Aせんせ？」
「ひぇええやめてくれぇええ」
「ふ、ははっ、可愛すぎますって、生徒の前ではそんな顔しないでくださいよ？ 年頃の男子は年上に弱いんですから」
なぜか余裕そうなグクに腹が立ちながらも、大人しく前を向いてドライヤーの続きをされる。
心臓はまだバクバクとうるさい。
少女漫画だけはたくさん読んできた私だが、先生生徒ものの背徳感溢れるものが大好きなのだ。いや自分の生徒をそういう目で見たことは神に誓って一度もないが、グクに言われてみろ、しんどいがすぎる。
──先生
ァアアアアアア(何度目)
「そうだヌナ。僕しばらく来れなくなるんです」
え？
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うに - めっちゃ好きです…このお話に出会えてよかった（ ; ; ） (2022年10月14日 19時) (
レス) @page44 id: 7083a913c1 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - 狐兄弟 凌さん» 本当ジョングクの黒髪is正義ですよね……何色でも神ですけど……（） 私も一応グクより年下やんですが、どうしてもヌナと呼ばれたくて笑 コメントありがとうございます！ (2019年11月1日 20時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
狐兄弟 凌 - 確かに黒髪好きですかっこいい！！ あの困り顔で首傾げられると死にます可愛すぎて この話も私は中学生だけどヌナ目線で面白かったです！それにグクオッパ呼び嫌いやしー泣 (2019年11月1日 20時) (レス) id: 7d3711d128 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - kokoboboさん» 弟の方まで（ ; ; ）！ ありがとうございます！ ジョングク氏は人見知りな分心を許したらどっぷりだろうなと思っていて、それが自然と滲み出ているんだと思います（）書くのが楽しかったので、きっとまた何かしら書くと思いますのでよろしくお願いします！ (2019年10月20日 14時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
kokobobo(プロフ) - 前回の弟レンタルの話もとても自分の好みで、今回の作品も本当に自分の好み刺さってて神かと思いました！ドロ甘系大好きなのでこれからも機会があったら描いていただきたいです応援してます！ (2019年10月20日 14時) (レス) id: 4b3068ef63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちよ
| 作成日時：2019年8月25日 20時
