弟レンタルしました。【JK】

弟レンタルやめました。 ページ26

「彼氏ができた？ ん？ もう一回言ってくれないかな、A」
「んふふ、彼氏ができました。しかもレンタル弟だったグクって子です」
「なんか予想外の展開でびっくりしてるんだけど……そんなことある……？」


一番に報告したジミンは目をパチクリさせて、何度も「まじか」とつぶやいていた。まじです。


ホソクさんも目を丸くしていたけれど、目を細めて「仲良くやんなよ」と優しい笑顔を向けてくれた。今日はジミンと飲みに行くらしい。


今日も今日とてグクと会う。カカオトークに追加されたグクの名前を見てにやける日々だ。
アイコンは私とのツーショット。

大学生のグクは、今日は午前中だけの授業だったらしい。


「ヌナ！」
「わっ、ここまできてくれてたの？」
「うん、早く会いたくて」


ひょっこりと現れたグクと手を繋いで、今日は観覧車乗りに行こう、と笑うグクを見て幸せな気持ちになる。


彼と行きたいところは山ほどある。
いくつ行けるかわからなかったけれど、今では全部に行こうとしている。それが、なんて素晴らしいことか。


「今日は全部僕が奢るから財布出さないでね」
「ええ、そんな、大学生なんて金欠なんじゃないの」
「今までヌナが僕にかけてくれた分を考えたら雀の涙くらいですよ」
「律儀だなあ」
「プライドです」


キリッとした顔つきが何故だか可愛くて笑ってしまうと、頬をふにっと掴まれて「笑わないでください」と言われてしまった。
頬を膨らませている彼もかわいいけれど。


「今日は一日ヌナといたい」
「うちくる？ グクお酒飲めるよね、宅飲みしよう」
「うん、僕強いけどヌナ大丈夫？」
「私めちゃくちゃ強いよ」
「まじか」


穏やかで暖かい日々。
これから先も、グクと一緒にこうして過ごしていきたいと思う。



弟レンタルしました。
弟レンタルやめました。





レンタル弟は、私の恋人になりました。





終

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