あの晩秋の海で恋が終わったこと ページ22
1ヶ月なんてすぐで、テヒョンさんたちと過ごす日々は毎日刺激的だから、余計に早く感じた。
いつまでもキラキラした時間の中で息をしていたかったけれど、時というものは狂うことはない。
わかっていることなのに、こんなにも悲しい。
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「私、来週からはテヒョンさんたちに会えません」
日曜日、みんなでホラー映画を見終わってソクジンさんの作ったご飯を食べていた時に、そう言った。
言わなきゃいけないと思うのと同時に、私にとっては一大事だけれどこの人たちにとっては違うかもしれないと思うと少し怖かった。
こわごわと、真っ先に反応を見たのはテヒョンさんだ。
目をジョングクみたいにまん丸にして、大きな口がぽかんと開いている。
「……修能試験まであと1ヶ月なんです。自信はあるんですけど、やっぱり勉強しなきゃいけないので」
「終わったら、……2次試験か、」
「面接の対策とかもあるので、今みたいにはきっと遊べません。……私も、みなさんとたくさん遊びたいんですけどね」
将来のことだ。長い目で見た時に必ず大切になってくることだから。
ジミンさんやソクジンさん、ホソクさんたちは「そっか、寂しいけど仕方ないね」と残念そうにしてくれて、ユンギさんは「頑張れよ」と背を押してくれて、ナムジュンさんは「教えられることは教えるから」と声をかけてくれて。
テヒョンさんは、何も言わない。
「……連絡はしていい?」
「はい、返信が遅くなると思いますが……」
「うん……。あー、ダメだ、俺が我慢できなさそう」
急に会いに行ったらぶん殴って、とテヒョンさんは言って、私の頭をふんわりと撫でてくれた。
今なら心から思える。
あの日先生に捨てられて、あの晩1人で海に行ってよかった。本当に本当によかった。
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ちよ(プロフ) - mochiさん» お返事遅れてすみません!テヒョンさんの不思議な魅力はいつまでも青く綺麗なのだろうなと思って書きました。細々とですが執筆は続けたいです( ˘ω˘ )ありがとうございました! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
mochi(プロフ) - 今更ながらちよさんの小説を見つけ、読ませていただきました。私もこんな青春時代を過ごせる仲間が欲しかったなぁって思いましたし、テヒョンのかっこよさが私の心をキュンキュンさせてくれました。これからも素敵なお話書き続けて欲しいです。終わってさみしい。 (2020年11月15日 20時) (レス) id: 7aaaff3998 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - あきさん» 尊い高校生の青春の日々は大事にしたいなあとしみじみと思いますね……( ˘ω˘ ) (2019年11月3日 11時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 青春したくなりました (2019年11月2日 0時) (レス) id: 93ffcf3bfd (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - BeBeさん» わあああコメントありがとうございます( ; ; )!!! 更新バシバシがんばります!! (2019年10月30日 14時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちよ | 作成日時:2019年10月18日 23時