振り向いて、ユンギ先生

神降臨 ページ8

体育はその日の授業の1番最後のもので、着替えるのが早めの私たちは比較的早く教室に帰ってこれた。
そこには今日放課後ユンギ先生と一緒にプリントをする子のグループもいて、またモヤモヤする。


「ユンギ先生と放課後デートだから私。いえーい」
「いいなー。手間かかる生徒って可愛がられるっていうもんね」
「ふふ、うん、自分が馬鹿でよかったーってね」


ちゃんとしてるのにちゃんとしていない子の方がいい目を見ることがある。
そんなのいくらでも見てきたし何とも思わないけれど、こればっかりは複雑、というか普通にイライラしてしまう。

そんな私をわかってか、ジヒョが私を慰めようと肩にぽんと手を置いた。

「グレるしか」
「え」
「Aもグレてみたら？ って」
「やだよ、先生に嫌われたくないもん」
「……だよねえ、ごめん忘れて」

グレる、という言葉が響く。
いやでも、嘘をつけないし理由を聞かれたときにきっと私は口を滑らせてしまう。
「手間がかかる子の方がかわいいんでしょ」とかなんとか言ってしまう気がするのだ。


それこそ本末転倒、絶対に見捨てられる。


.


自分でも手が思いつかず、結局また物理のノートを持って職員室に来てしまった。
馬鹿すぎる。絶対に見せつけられるのに。

職員室の前で、やっぱりやめようとノートをしまっていると「Aさん」といきなり声をかけられてびっくりしてしまった。

ゆっくり振り向くと、隣のクラスのソクジン先生が首を傾げている。

「どうしたの？ 誰に用？」
「えと、」

ソクジン先生は世界史の先生だ。あ、ちょうどいい、今日よく理解ができなかったところがあった気がする！


「ソクジン先生！」
「ん？ 僕？」
「今日のところ、国と国の関係がごちゃごちゃになっちゃって、」
「ああ、今日のところややこしかったもんね。いいよ、もう一回説明するから中入ろっか」




ソクジン先生、いつも神だけど今日はいつも以上に神さまだ……。

ソクジン先生質問です→←多くは望まない

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