Secret (ページ1)

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2年前のクリスマスイブ

午前0時

私はキャリーケースを片手に公園のベンチに座っていた。

そこにはシンシンと雪がふりはじめて足元が段々と白くなり始めた。

ほんとなら今日、この時間は彼のところで一緒に過ごしてるはずだった。

そんな事実も雪の中に交えてどうでも良くなってきて不仲の家族の元に戻るのにも嫌気が指していた。

はぁー、とため息をつくとそれを嘲笑うかのように息が白く吐き出される。

「だっさ、私何してるんだろ。」

そう呟いた時だった。

？『あれ？その感じお姉さん1人？』

1人のいかにもキャバ嬢かのような女性が声をかけてきた。

片手には見た事のある有名ブランドのバックもう片手には火をつける前の煙草がキラキラした指輪の着いた人差し指と中指に挟まれていた。

？『あ、気に触ったらごめんねえ、ライターなんか持ってたりしないかしら？』

「あぁ、ありますよ。」

今日会うはずだった彼は喫煙者だった。
このライターもその彼のために持っていた。

「あ、あとそれもう要らないんで、あげます。」

それは彼を忘れるためにも発した言葉だった。

？『んー、お姉さんなんでそんなに冷たいの？お家どこ？まだ今日飲んでないから送ってくよ？』

「ほんとに大丈夫なんで、放っといてください。」

？『知ってた？ここらへんもう少ししたら泥酔した人とかキャッチがゾロゾロでてくるわよ。』

何も言い返せなくて黙り込んでしまった私にこのキャバ嬢は

？『いいわ、今日のところは私の経営してるシェアハウスにおいで、こんな美人何があるかしれたもんじゃないわ。』

と言葉を発して少し強めに私の手を引いて私を車に乗せた。

これが原因で私の人生が狂い始めるとも知らずに。